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第4章 トラウザーズ
私たちはわざわざ足を短く見せている?
しばらく細身シルエットの流れが続いていますが、細身のパンツを履くことで、自ら体型をわるく見せてしまっている人がとても多いです。
分かりやすく例えてみましょう。パンツの裾幅を1cm細くすることで、股下も1cm短くしなければいけません。なぜなら、裾口が狭くなるので、その分丈を短くしないと、余計な”たわみ”ができてしまうからです。
そうすることで、足の長さは必然的に1cm短く見えます。
同様に、股上22cmのパンツを履くのか、27cmのものを履くのとでは、5cm見え方が変わります。単純な話ですが、これだけで上も合わせると6cmも全体のバランスが変わるのです。
<短すぎる丈>
これが立っているだけでくるぶしが見えているようなパンツであれば、より顕著になります。フルレングスで股下が73㎝ある人が、68㎝の丈のパンツを履いているとしましょう。そのパンツの股下を裾までしっかり出せば、5cm長くすることができ、股上も含めると、10cm足を長く見せることができます。
股上を深く、股下を長くすることで野暮ったく見えると思っている方が多くいらっしゃいますが、それは間違いです。
細身のパンツは西洋のモデルのような体型の方であれば、そのきれいな足をそのまま見せられるので美しいシルエットを見せることができます。
ですが我々日本人は、決して褒められるような体型ではありません。そういう我々が細身のパンツを履いてしまうと、その体型をそのまま表してしまうことになります。
<英ウィンストン・チャーチル氏の丈>
スーツのラインの美しさは余裕とメリハリから生まれます。ただ体の線に沿って作るだけでは、身体が資本の人だけが得をする世界になってしまい、そうでない人にとっては、ただ満足の行かない結果になってしまいます。
長所になるところは出し、隠すところは隠す。そうすることで、スーツを着ているときは自分が驚くほどに綺麗なシルエットを作り出すことが可能なのです。
昔の日本人がなぜあんなに堂々として見えたのか。服装だけの問題ではありませんが、彼らが例えばあの時代に、ピタピタのくるぶしパンツを履いていたとしたら、おそらくあそこまでの気迫、威厳は出ていないと思います。
洋服は西洋の人のために作られた服です。
彼らと同じ着方をしていても似合うはずがありません。私たち日本人なりの着方、見せ方を追求していくことで、流行や周りに左右されない自分らしいシルエットを見つけることができます。
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