第7章 タイ
タイの結び方
タイにはおよそ85種類の結び方があると言われていますが、それらを全て覚える必要はありません。洋服のプロにでもならない限りは、代表的な結び方を3つ覚えておけば十分です。(わたしもその3つしか知らないくらいです)
結び方はネクタイの太さや厚み、長さ、そしてシャツの襟の開き加減で決めます。
襟の開きの狭いシャツにはノットが小さく仕上がる「プレーン・ノット」。
開きが大きいシャツには「セミウィンザー・ノット」や「ウィンザー・ノット」のような、ノット(結び目)が大きくなる結び方をするのがいいでしょう。
タイは結んだ後、首を少し上げた状態で軽く持ちあげ、タイバーで留めると、立体的に美しい曲線ができます。また、シャツの第一ボタンの上部分(首とシャツの境目のところ)も隠れるため、ぐっとエレガントに見えます。よくタイを結んでいてシャツの第一釦が見えている人がいますが、あれはみっともないので気をつけてください。(TVタレントにとても多く見受けられます。影響力のある方々なので本当に気をつけていただきたいのですが、洋服として参考にできる方は本当に極々わずかしかいません)タイバーはシャツの第三ボタン辺り(気持ち少し高め、ベストでちょうど隠れる高さ)で留めると、綺麗に持ちあがります。
ネクタイを上手に結ぶためには、あまりきつく締めすぎてはいけません。よりソフトで、立体的な結び目が理想的です。
感覚的な話ですが、タイを最後にぎゅっと下に下げる動作、それはディンプル(結び目のくぼみ)を残したいという気持ちからやってしまうのですが、それはやってはいけません。それをやってしまうことでノットが極端に小さくなってしまい、せっかくの上質なタイも雰囲気が台無しになってしまいます。また、きつく結んでしまうとほどくときに繊細な生地を痛めてしまいます。
わたしは最近までプレーンノット派でしかが、セミウィンザー派に転向しました。(そのため下の動画ではプレーンノットで結んでいます)プレーンノットはノットが小さく仕上がり、”こなれ感”が出るのが特徴です。ほどよく力の抜けた雰囲気になるため、イタリアンスタイルにハマります。セミ、またはウィンザーノットはより堅く真面目なVゾーンを作り出すことができます。
よく、ネクタイを結ぶとノットが曲がり、きれいに仕上がらないというお話も聞きます。これは持論ですが、タイはそもそもきれいに結ぶ必要のあるものではないと思っています。少し曲がっていて、ディンプルも真ん中ではなく、少しずれたところに入っているくらいの方が、自然な印象がして素敵でしょう。タイの生まれはスカーフです。鏡と何分も見つめあってきたんだなぁ、と思われてしまっては、少し恥ずかしいでしょう。あくまで自然であるのが理想です。
<正しい結び方をしたときは、小剣が裏向きになる>
ちなみに正しく結ばれているタイは、小剣が裏返しになります。
無理にひねったりねじったりせず、柔らかく”結びあげたとき”にこのような仕上がりになります。しっかりとこの向きになっているようでしたら、タイの結び方は問題ありません。
下記に、わたしが昔に撮ったタイの結び方の動画を載せておきます。
お時間のあるときに、ぜひご覧になってみてください。
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