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第4章 トラウザーズ
タックと前立て
センタークリースの先にあるプリーツを「タック」と呼びますが、日本では「おじさん臭い」、「野暮ったい」と、あまりいいイメージはないようです(最近ではクラシック回帰があり、そのイメージも薄くなってきたように思います)。
そのため、現代では多くの人がノータックのトラウザーズを履いています。
ノータックは腰回りの運動量が少なく、ぴたっとくっつくため、カジュアルなコットンパンツやデニム、チノパンなどに用いられてきました。ノータックは、元々はカジュアルパンツに使われていたディテールです。
クラシックなトラウザーズにはタックが入っている方が、足のシルエットが綺麗に見え、美しいラインを生み出すことができます。多くの人が、タックを入れると太く見えると思われていますが、実際は間違いで、タックが入っている方が、より足のラインは綺麗に見せることができます。
タックには、外側に倒れている「アウトタック」と、内側に倒れている「インタック(別称:リバースプリーツ)」があります。インタックの方がクラシックな趣があり、アウトタックの方がカジュアルな印象を与えます。アウトタックは腰回りをゆったり見せる効果があるのに対し、インタックはすっきりと見せることができるのが特徴です。
<アウトタック>
よりクラシックに傾倒するなら2タックを入れますが、1タックのほうが汎用性があり、履きやすいと思います。
わたしはスーツにはインタック、ジャケパンのスラックスには、アウトタックを合わせることが多いです。
<インタック(リバースプリーツ)>
英国では1930年代前半までは、トラウザーズの前開きはボタン留めでした。それが1935年以降、現代のジップアップ式へと変わっていったのです。今でも懐古主義の方はボタンフライ仕様を愛用しています。
時代が遡っていけばいくほど、手間がかかるようになっていきます。その手間を味わいを思うのか、面倒だと思うのか。そのギリギリのラインまで、遡っていってみるのも面白いのではないでしょうか。
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