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第7章 革靴
革靴の種類
靴は大きくわけて、「スリップオンシューズ」と「オックスフォードシューズ」の2種類があります。
スリップオンについては後の項目でご説明いたしますので、こちらでは、オックスフォードシューズについてお話しいたします。
オックスフォードシューズ
オックスフォードシューズとは、履き口が紐結びになっている短靴のことをいいます。
英国オックスフォード大学の学生の間で、1665年頃から愛用されたところからこの呼び名があり、3~6個のハトメ(紐穴=アイレット)が基本の形です。
元々はスコットランドのケルト民族が履いていたブーツから派生したものといわれています。
オックスフォードシューズの代表はやはり、男の革靴としては最もクラシックな靴と言われている「ブローグ(Brogue)」でしょう。
ブローグとは、靴のつま先や周りに模様のようにあしらった小穴飾り(パーフォレイション)の付いている靴のことを差します。
このブローグにも「セミブローグ」、「フルブローグ」など、いくつかの種類があり、用途や装いに応じて選びます。
<フルブローグ>
この穴飾りは、元々スコットランドには湿地帯やぬかるんだ道が多かったことから付けられたアイデアです。
防水性と耐久性を考慮して革を2枚合わせているため、濡れてしまったとき下の革が乾きづらいというところから、穴を開けて通気性を高めたというわけです。それにしても実用的なディテールだったはずなのですが、それがおしゃれとして根付いているのがなんとも素敵です。
このオックスフォードシューズも大きく分けると、「内羽根(バルモラル)式」と、「外羽根(ブルーチャー)式」の2種類に分かれます。そちらについては、次の項目でご説明いたします。
最初に揃えるべき革靴は
これから革靴を揃えていきたいという方のために、私がお勧めする、まずはこの3足を押さえておけば間違いない、というものをご紹介したいと思います。
今回ご紹介する3足はジャケパンではなく、スーツ向けの革靴です。
①ストレートチップ(キャップトゥ)
言わずもがなの大定番、ストレートチップ。革靴の始まりであり終わりである靴です。
つま先に一本線が入っていることからストレートチップと呼ばれています。また別の名称では、つま先にキャップが付いているように見えることから、キャップトゥと呼ぶ方もいます。
どちらも呼び方は好みですが、キャップトゥと呼ぶ方は、少し人とは違った物言いをしたいと思われている方が多いように思います。
これは余談ですが、インポート物の洋服のことを、昔は「舶来品」と呼んでいました。
文字通り、船で運んでくることからそのように呼ばれていたのです。
これを今の時代でも、あえて舶来物、と呼ぶ方がいます。
キャップトゥと呼ぶ方は、なんだか同じ匂いがするのです。
かくいう私もキャップトゥと言いますし、舶来品と言います。笑
話を戻します。
ストレートチップは、世界中どこに行っても対応できるデザインです。
よりフォーマルな靴といえば、エナメル素材のオペラパンプスなどもあります。
しかし最近では、今までオペラパンプスを履いていた場面でも、普通に黒のストレートチップを履くというように変わってきています。
タキシードにも、ビジネススーツにも対応できる、万能の靴です。
普段スーツを着ることはあまりなく、1足間違いのない物を欲しいという方は、ぜひストレートチップを持たれることをお勧めいたします。
②パンチドキャップトゥ
①のキャップトゥの一本線の部分に、小さな飾りが入ったデザインです。
パンチングで模様が付けられていることから、パンチドキャップトゥと呼ばれています。
フォーマル感と程よいカジュアル感がバランスよく、普段のスーツスタイルにとてもよく合います。
③セミブローグ
最初にお話ししていました、ブローグシューズです。
フルブローグだとカントリー感が出すぎてしまい、もう少しタウンユースな雰囲気が欲しい、という方に向けた靴です。
先の2足よりもカジュアル感が強くなり、より洒落た雰囲気があります。
この3足を持っていれば、まず革靴で困ることはないというくらい、ベーシックで間違いのない靴です。
他にも、フルブローグやダブルモンクストラップなど、定番の革靴は色々ございますので、ぜひご自身のライフスタイルに合った靴を揃えていきましょう。
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