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第5章 シャツ
シャツはサックスブルーという選択
シャツは首元に近いアイテムですので、その方のパーソナリティがスーツ以上に現れます。よって、シャツ選びを間違えてしまうと、自分の印象が大きく変わってしまいますので、ぜひここは慎重に選びたいところです。
日本人に似合う色は何色?
日本ではひと昔前、総人口全員が白シャツという文化がありました。その流れが今も残っていることによって、
「日本人は白シャツにネイビースーツという組み合わせが絶対である」
という人たちは、一定数いらっしゃいます。
白は潔白、純潔を表す色ですので、特に営業マンの方や経営者の方で、シャツは白しか着ない、と決めている方は多く見受けられます。
これは一つの思想なので、何も否定することもないのですが、わたしたち日本人にとって最も似合う色は何色なのか、と問われるならば、わたしはサックスブルーと答えます。
わたし自身、シャツは今まであらゆる色や柄で作ってきました。
そして今この文章を書いている2023年には、もうシャツはサックスブルーだけでいい、と確信しました。
なぜ私たち日本人にはサックスブルーが合うのでしょうか。
肌の色で似合う色は変わる
思い浮かべていただきたいです。黒人がピンクやイエローのシャツを格好良く着こなしている様を。
この人たちは、コンゴにいるサプールという集団です。
私たち日本人には決して着こなすことはできない色味です。
対して、白人に目を向けてみましょう。彼らは白シャツを格好良く着こなしています。
これは民族レベルでの、肌の色によって似合う色はある程度決まっているという、一つの考え方です。
何も私たち日本人が、白シャツやカラーシャツが似合わないと言っているわけではありません。
ただ、肌の馴染み具合を見たとき、私たち黄色人種に似合う色は、白でもカラーシャツでもなく、サックスブルーかもしれません、という考え方です。
白度が強い肌の色の人であれば、白シャツはとても映えます。
私自身は黄色味が強い肌の色ですので、やはり白よりもサックスブルーのシャツを着ている方が全体のトーンとしてはまとまりが生まれ、肌馴染みがいいのです。
シャツはスーツと異なり、コレだッ!!という色や形を見つけたら、ダース単位で揃えてしまうことをおすすめします。
1ダースとなればさすがに多いと思いますので、半ダース、まずは6枚を揃えてしまう。そうすれば、毎日同じ色のシャツをルーティンで着ることができます。
そうすれば、シャツでもう考える必要がなくなります。
私は洋服のことで、あれこれ考える時間や工数を減らす方がいいと思っております。
人間は1日に思考できる数が決まっているという研究もあるそうで、その思考の数を洋服のチョイスの時間に当ててもいいのかどうか。それはその方の人生の考え方です。
洋服を選ぶことが人生でたまらなく好きだ!という方はぜひ悩んで選んでいただきたいですが、そうでない方でしたら、なるべく思考は他のことにとっておいた方がいいと思います。
たまに会社の雰囲気で、白シャツ以外着られない、という方もいらっしゃいます。
なので、特にそのような縛りもなく、もしご自身で自由に選べるようでしたら、私はサックスブルーでいく!という選択は非常にアリなのではないかと思います。
それにならって、私は最近サックスブルーのシャツをまとめて作り揃えたのですが、襟と袖のデザインも全く同じものにいたしました。
伝統的なワイドスプレッドカラーより少しだけ広めの襟型。
そしてカフスはダブルカフス。
この形が今までたくさん着てきた中で、最もしっくりくる形だと気付きました。
シャツを決めることで、1つ思考のプロセスが少なくなります。こうすることで、他に色々と考える必要のある、ジャケットや靴、ネクタイなどをじっくりと考えることができます。
黒と白という2色はとても強く、すべての色を取り込んでしまう色のため、コーディネートのバランスを崩してしまいかねません。世界的に見ても、洒落者はブルーのシャツを着ることが多いです。
しかしここまで言いましたが、あらゆるスタイルを経験した熟年の男性の、「シャツは白の無地しか着ない」というストイックな姿勢は、それらを超越した格好良さがあります。極論、その人が似合うと思い切り、その人が最も力が沸くものを選ぶ、それが一番だと私は思います。
2023年6月擱筆
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