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第5章 シャツ
ボタンダウン・シャツの誕生
ボタンダウン・シャツを初めて考案したのは、老舗ブランドの「ブルックス・ブラザーズ」です。
1900年代はじめ、当時のブルックス・ブラザースの社長ジョン・ブルックス氏が、ポロ競技の観戦中、風になびくシャツの襟を見て、襟にボタンをつけるというアイデアを考えました。
そのため、正式名称は「ポロ・カラー」と呼びます。ですが現代ではあまりにも広く定着した「ボタンダウン・カラー」という名があるため、ここではそう呼ぶことにします。
<オックスフォード・クロス>
ボタンダウンは機能性を追い求めたスポーティなディテールのため、クラシックなスリーピース・スーツより、ツーピース・スーツや、ジャケパンスタイルなどのコーディネイトに合います。
ボタンダウン・シャツに使用される代表的なシャツ素材は「オックスフォード・クロス」と呼ばれ、生地の表面が凹凸しているため、通気性がよくオールシーズン着用することに適しています。
<左がイタリア / 右がアメリカ>
アメリカ式のボタンダウンは、襟が短く、襟のロールが強く、タイを結んだときにVゾーンが引き締まって見えるのが特徴です。
ヨーロッパはイタリアでもボタンダウンを好んで着用していますが、アメリカの仕様とは少し異なります。イタリアの物は、アメリカよりも襟先が長く、襟のロールが弱い、そしてボタンは襟先に飾りで付いているくらい自然なボタン位置のデザインが主流です。
上の写真で説明しますと、左のシャツがイタリア式で、右がアメリカントラッドの襟方です。
イタリアはアメリカの物より、無骨さが抜けたエレガントな顔つきです。アメリカはシャツに機能性を求めますが、イタリアはデザイン性と美しさを求めた結果、こういった違いが生まれました。
アメリカ人が好きな襟型
剣先に結び目が付き、その先にボタンが付いているデザインのことをタブカラーと呼びますが、それを初めに着用したのはウィンザー公と言われています。
氏が訪米した際に着用していたことから、アメリカで人気に火がついたデザインです。
それが今でも、アイビーリーガーの中で好んで着用されております。
もう一つ、アイビーリーガーが好んで着ている襟の形といえばラウンドカラー。
クラブカラー、ラウンデッドカラーとも呼ばれており、イートン校の生徒によって広まったデザインと言われています。
控えめな洋服が好きな英国に対して、少し趣向を凝らしたデザインが好きな米国人。
国民性があって、どちらのスタイルもわたしは素敵だと思います。
2024年5月最終編集
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