第12章 その他
黒は世界の非常識
日本では、黒のスーツを着ている人を多くみかけます。一昔前までは黒のスーツは喪服であり、ビジネスの場で着るものではありませんでした。それが今は当たり前のように日常的に着用されています。
世界の常識では、ブラックスーツをビジネスの場で着ることはありません。黒はディナージャケットなどのフォーマル系の服にのみ使われるものです。
スーツの三原色と言われている色は、「ネイビー・グレー・ブラウン」です。しかし日本人は肌の色や髪の色のバランスで、ブラウンを着こなせる方は多くないため、ネイビー・グレーの2色が定番になっています。
なぜ黒が選ばれないのかといいますと、黒はすべての色の中で最も強い色であり、全体のコーディネートの印象を大きく形作ってしまうからです。コーディネートで最も大切なのは”トータルバランス”であり、個のアイテムの格好よさは二の次です。
例えば、黒いスーツを着て、ブルーのタイをして、茶色の革靴を履いている男性を想像してみてください。あまり格好いいイメージは浮かばないと思います。黒という色のパワーが強すぎてしまい、他の色と協調性をもてないのです。
黒のスーツに合わせるシャツは必然的に反対の色の白になり、靴も黒を選びます。そのため、ディナー・ジャケットのようなフォーマルなスタイルには、黒と白以外の色は存在しません。そこに他の色が介入することができないからです。
黒は日本では礼服を1着、そしてディナージャケットを1着、計2着持っていれば十分だとわたしは思います。また、黒は最も生地の良し悪しが分かる色です。いい物を1着誂え、体型を維持すれば、末永く着ることができます。まず日常のワードローブで、黒をはずすことをやってみてください。
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