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第7章 革靴
夏の革靴はコンビシューズで決まり
わたしはGWが過ぎたら、春の服から、夏の服に切り替えていきます。
たとえば、綿のシャツから麻のシャツを着始めること。
フェルトハットからパナマハットに変えること。
他にもいくつかありますが、その中のひとつにわたしは、夏になったらコンビシューズを履き倒すということを決めています。
コーレスポンデントシューズ、スペクテイターシューズなどの呼び名がありますが、日本で広く知れ渡っているのはコンビシューズという名です。
読んで字の如く、2色の革を使い作られた靴です。
白ともう一色、というのが一般的ですが、たまに他の革の色であったり、生地を使ったコンビシューズもあります。
昔、ハリスツイードの生地を使ってコンビシューズを作りました。
手前味噌ですが、格好いいですね。
始まりは、スポーツの世界で生まれた靴で、観戦用として作られたものでした。
白と黒の2色のコンビシューズ。
まさしく、白黒はっきりつけるゾ、という洒落っ気のある発想です。
わたしはこのコンビシューズがとても好きで、皆様にぜひ、一足は持ってほしいと思っております。
なぜわたしが強くおすすめしたいのかと言いますと、コンビシューズを履くだけで、簡単に洒落た雰囲気が出るからです。
夏になると、洋服の枚数が減ります。
ほとんどの方が、上はTシャツかポロシャツ、下はジーンズか短パン、というスタイルになるでしょう。
「そのとき、靴は何を履きますか?」
と質問をすれば、
「スニーカーかサンダル」
と答える方が大半かと思います。
ですが、それではお洒落とは程遠い、判を押したようなワンマイルウェアになってしまいます。
自宅からコンビニまでの距離でしたらその格好でもわるくはありませんが、もし街に出かけるようでしたら、わたしはぜひその装いにコンビシューズを入れてみていただきたいのです。
靴をスニーカーから革靴にするだけで、ぐっとコーディネートが引き締まります。
わたしの夏のスタイルは、リネンシャツに、リネンのトラウザーズ、そして足元はコンビシューズという組み合わせです。
もう毎年、7月からはほぼ毎日これです。
何を着ているよりも涼しいですし、程よいカジュアルさとエレガントさがあるこの組み合わせは、わたしの中では夏のスタイルのひとつの完成形だと思っています。
コンビシューズがなぜ夏に活躍するのか、ということですが、それはやはり2色のうち1色に、白が使われているからです。
コンビシューズの色の組み合わせについては、何を選んでも良いですが、わたしのおすすめはこの3色です。
①ネイビー×白
より夏らしい爽やかな色合いです。後の②,③よりもスポーティな雰囲気がするため、カジュアルよりに合わせたい方向けです。
②ブラウン×白
THE・王道のコンビシューズです。春から秋まで着用できるため、間違いない一足選ぶとすれば、わたしはこちらを勧めます。カジュアルに合わせても良し、カチッとジャケットに合わせても良しの便利なアイテムです。
③グリーン×白
洒落た雰囲気のする、少し中級者〜向けの色合わせです。
リネンのスーツなんかにさらっと合わせると、とても品良く収まります。
カジュアルすぎない、上品なコンビシューズがいいと思われている方には、ぜひこちらをおすすめいたします。
こちらを見ていて、紐部分の羽根に色が付いているものと付いていないものがあります。
一般的なものは羽根に色がついているものです。
より珍しいコンビシューズということであれば、羽根に色がついていないものを選ぶといいでしょう。
また、紐の色を替えたりするのはぜひやめていただきたいです。そのような小細工をした途端、コンビシューズの品が一瞬で崩れ去り、チープな靴になってしまいます。
美しいものとそうでないものは常に隣り合わせです。
これは洋服の着こなし全てに通じる考え方ですが、何かを足したいという人間の欲張りな欲求は抑え、何もしないことをただ選択するようにいたしましょう。
見慣れない方にとっては派手で、とてもじゃないが自分には履ける靴ではない!と思われるかもしれません。
ですが、この靴はぽっと出で生まれた靴ではなく、クラシックで、長く愛用されてきている靴です。
クラシックなものは、驚くほど我々人間に馴染むものです。
変わり続ける時代の流れで、残り続けているものには必ず意味があります。
それを信じて、ぜひ夏のワードローブに1足入れてみていただくことを、お勧めいたします。
きっと、夏のお洒落が今より何倍も楽しめるでしょう。
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