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第5章 シャツ
シャツの襟型の選び方
シャツの襟の形について、何が正解なんだろうと思う方はいらっしゃるかと思います。
一般的な襟の種類からお話ししていきたいと思いますが、まずは名前の通り、「レギュラーカラー」という襟型があります。

左の役者のシャツがまさにレギュラーカラー
これは読んで字のごとく、一番定番の襟型のことを指しますが、昨今では、このレギュラーカラーという形は、少し襟の開きが狭すぎるのでは、と感じられるようになってきております。
これは時代の変化によるもので、今は「ワイドカラー」が一般的な襟の広さになってきております。
ここで参考までに、カラーの襟の開きの角度をご案内いたします。
〜襟の開きの角度〜
・レギュラーカラー:約75〜90度
・セミワイドカラー:約90〜100度
・ワイドカラー・ワイドスプレッドカラー:100〜140度
・ホリゾンタルカラー:約180度
・カッタウェイカラー:約190度〜
ご覧の通り、ワイドカラーにも種類がいくつかあります。
後は、ワイドカラーより襟が開いた形で、「ホリゾンタルカラー」というものもあります。
ホリゾンタルという名は、「水平な」という意味から付けられています。真横に襟が広がっている襟型です。
そして、ホリゾンタルより開いたもので、「カッタウェイ」という襟の形があります。
襟の開きによる見た目のイメージですが、襟が開けば開くほど、カジュアルな印象になります。
つまり、レギュラーカラーよりも、ホリゾンタルカラーの方が、カジュアルに見えるのです。
そのため、もしフォーマルな式典で着るというシーンでシャツを考えでしたら、襟があまり開いてるものではなく、少し閉じた襟型を選ぶのがよろしいでしょう。

こちらの着こなしはツイードジャケットにタッターソールシャツという
カジュアルスタイルのため、襟の開きはワイドカラーにしてある
また、レギュラーカラーよりも狭い襟型もありますが、これはなかなか今の時代では格好よく着こなすのが難しいです。
理由といたしましては、かなり古風な見え方がするからです。
そのため、あえて古き良き装いを楽しみたい方は選んでいいと思いますが、現代の着こなしにはなかなか不釣り合いです。

こちらは「ザ・クラウン」のフィリップ殿下の写真ですが、フィリップ殿下を演じるこちらの役者の方が着用しているシャツが、まさにレギュラーカラーです。現代のバランスで見ると、かなり狭く見えると思います。しかし、こちらのお方はとても格好よく着こなしています。
この閉じている襟が似合うには、ある程度の年齢と、熟練した着こなしのスキルが必要です。
それがない上で、襟の閉じたシャツを着てしまうと、「野暮ったい」「おじさん臭い」という印象になってしまいますので、ご注意ください。
そのため、この章でお伝えしたいのは、襟の形に困ったら、とりあえずワイドカラーを選んでおけば外れることはないということです。
ここまでご覧いただいて、「最近見かける、カッタウェイなんていう襟が開いているシャツもとってもかっこいいと思うんだけど、それはどうなの?」という方も、もしかしたらいらっしゃるかもしれないので、お答えしたいと思います。
まず、これはあくまで私個人の意見なのですが、カッタウェイカラーは決してオススメいたしません。
なぜかと言うのを、歴史的な観点からお伝えしたいのですが、洋装の長い歴史の中で、カッタウェイという襟型が定番として扱われていた時代は無いからです。
いつの時代も洋服は流行により作り出されてきておりますので、襟が閉じる時代もあれば、開く時代もあるのですが、このカッタウェイというものが、トラディショナルな世界で、ありだよね。と認められた事は一度もないと思います。
もちろん、アバンギャルドなモード系ファッションであったり、カジュアルファッションの世界であれば、それもいいよね、と見られるとは思うのですが、私がここでお伝えしたいのは、トラディショナルな着こなしの中での是非です。
まずは基本をしっかりと身に付けていただき、それを踏まえた上で、ご自身の好みを突き詰めていただければと思います。
後は、襟の開きとネクタイの相関についてですが、襟が閉じているレギュラーカラーの場合は、ネクタイの結び目(ノット)は小さめにしたほうがバランスが良いです。
対して、ホリゾンタルのような襟が開いているシャツの場合は、結び目を大きくした方がバランスがよく見えます。
これを反対にしてしまうと、とても不格好になってしまいますので、お気をつけください。
何度も言いますが、いつの時代も、選んでおいて間違いがないのは、ワイドカラー、セミワイド、ワイドスプレッドカラー、この辺りです。
この基本を身に付けた上で、ご自身の着こなしを深掘りしていくのが、洋装の奥深く楽しいところです。
襟の開きと身長とのバランス
また、襟の開きと、身長とのバランスもとても大切です。
基本的に覚えておいて間違いがないのは、身長がある方は、レギュラーカラーも合いますが、身長があまり高くない方は、レギュラーカラーのような襟の開きが閉じているものを着ると、首が詰まって見える傾向があります。そのため、身長が低い方は、ワイドカラーのような開いた襟を選ぶのが良いでしょう。


上の写真のお二人は、すらっとした体型で、高身長のため、
襟が閉じたシャツも違和感なく着こなしています

参考までに、こちらは1950年代のハンフリーボガードが出ている映画ですが、この時代でも、ボガードはワイドカラーを選んでいます。
ボギーは俳優の中ではかなり身長が低かったため、おそらく卓越した洒落心を持っている氏自らが、この襟の開きを選んだのだと私は推測します。

最後に、こちらはジョージ6世、エリザベス女王のお父様の写真です。
「英国王のスピーチ」のモデルのお方です。
今見ても全く古臭さを感じさせない、とてもエレガントな着こなしです。
こちらの襟型がまさに、ワイドスプレッドカラーです。
ワイドカラーがタイムレスであることがわかります。
2026年5月擱筆
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