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第1章 洋服の哲学
コンプレックスは多い方がいい
恵まれた身体つきや整った顔立ちの人は得だといわれますが、わたしはある視点から考えてみると、そうでないと言えることもあります。
人間はだれしもコンプレックスがあります。足が短い、顔が大きい、背が低い、太っている、etc…。
それを卑下してあきらめるのは簡単です。ですがそれを昇華し、長所に変えることもできるのがファッションです。
わたしにもたくさんのコンプレックスがあります。しかし、もし生まれながらに端正な顔で、スタイルも抜群で生まれ、異性にもモテ続けて困る、という人生を送ってきていたら、今のような装いに対する熱意はなかったでしょう。
多感な時期に、だれよりもかっこよくなりたい!という純粋な想いが、ここまで突き動かしてくれました。
このコンプレックスを、どう活かしていくのかが課題です。
まず、自分自身とじっくり向き合うことで、自分に似合う服、似合わない服が少しずつわかってきます。
できれば、毎日一回でも、全身鏡で自分を見る時間を作っていただきたいです。
全身鏡が家にない方は、ぜひ購入されることをおすすめします。自分を見つめることはとても大切なことです。
分かりやすくひとつ例を挙げますと、顔が幼い方は、「ミリタリー系」や「アメカジ」のような、男らしい格好は似合いづらい傾向があります。
また、体格がしっかりしている方は、「モード系」のような、細身の体格を活かした洋服は似合いづらいです。
わたしが学生時代の頃は、モードファッションブームの全盛期でした。骨格がしっかりしていたわたしでしたが、当時流行していた極細スキニーデニムが履きたくて仕方がありませんでした。
一生懸命、下半身をやせるためにダイエットを友人と日々やっていたものです。しかし肉は落ちましたが、もって生まれた広い腰骨があらわになっただけでした。
ある日、モデルのような細い足をした友人が、颯爽とスキニーパンツをはいて来たのを見たとき、ふと細身パンツへの情熱が消えたのです。その日からわたしに似合う服を新たに模索しはじめ、その当時行き着いたのが、「アメリカンカジュアル」でした。
その後、わたしがアメカジに傾倒しているとき、そのスレンダーな足を持った友人はわたしにこう言いました。
「おれもそういう服着たいんだけど、身体が細いから似合わないんだよね」
そういわれたとき、ないものねだりするのではなく、生まれ持った体格と向き合っていく方がよっぽど幸せなんだ、ということに気が付きました。
経験を重ね、自分が一番映えるスタイルを見つけていきましょう。それが見つかれば、流行に左右されず、生涯自らのスタイルを追求し続けることができるようになります。
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