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第5章 シャツ
シャツの袖
日本のシャツの袖は短い
日本の方が着ているシャツの袖の長さは、少し短い場合が多いです。手を水平に伸ばしたときに手首が見えてしまい、つっぱってしまうシャツは短すぎます。
ヨーロッパのビスポークシャツの場合、カフスボタンを開けたら手の甲が隠れてしまうくらいまで、長くゆとりをとっているシャツが、正しいフィッティングとされています。
ビスポークでカフスをぴったり手首に合うように仕立てると、袖を長くとっても落ちることはありません。最も肌に近い衣服のシャツは、可動域を必要としますので、袖丈も余裕をもって作ったほうがいいのです。そしてアームホールをできるだけ細く作ることで、腕を動かしやすくすることができます。ビスポークであれば、より正確に両手首を測ってもらい、時計を着ける方の腕は、少しゆとりを出してもらうということも可能です。
剣ボロを粋に開ける
また、袖ボタンの上に付いている「剣ボロ」のボタンは、開けて着るのが粋な着方とされています。わたしがヨーロッパに行った際、洋服に関心を持っていると思われる男性のシャツを見ると、ほとんどの方が剣ボロのボタンを開けていました。
ですが、ここから長袖のインナーが見えていては格好がつきません。シャツのインナーは、長袖は絶対に避けましょう。
<剣ボロは粋に開けましょう>
自分だけの特別仕様シャツ
わたしのお客様で時計好きの方がいらっしゃいますが、その方は時計を着ける方のカフスだけ、アジャストボタン(袖釦を2つ)を付けたいと仰られました。はじめはいいとは思いませんでしたが、しばらく考えていると、それはなかなか面白いアイデアだと思いました。
多くの既成シャツにはアジャストボタンが両袖に付いており、わたしは好ましく思わないディテールです。ですが、片方だけに付けるというその意味があるアイデアには、その方が生きている上で自ら考えてたどり着いたという想いが込められています。その人ならではのオーダー、ストーリーを洋服に込めていけるのも、愉しさの一つです。
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