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第5章 シャツ
シャツの胸ポケット
なぜ、シャツの胸にはポケットが付いているのでしょうか。シャツは元々下着でした。その下着であるシャツに、ポケットを付けはじめたのはアメリカです。
シャツに胸ポケットが付いたわけ
1930年代以降、戦争で物資が足りず、衣服にも影響が及びました。そこで真っ先に排除されたのがウエストコート(ベスト)だったのです。ウエストコートが排除され、今まで隠れていたシャツが露わになってしまったため、40年代には少しでも隠そうと、ダブルのツーピーススーツが流行しました。それ以降、世界的にツーピースが主流となりました。
しかし、スリーピースではなくなった後に不便を感じたのが、今までウエストコートのポケットに入れていた物をどこに仕舞うかということでした。ウエストコートには腰と胸に4カ所(胸ポケットが付いていない場合の物もあります)のポケットがありますが、それに代わるポケットとして生まれたのが、シャツの胸ポケットです。
つまり、クラシックでドレッシーなシャツには、胸ポケットは付いておりません。胸ポケットにタバコやペンを差している人を見かけますが、決して見た印象はいいとは言えないでしょう。
利便性を追求した結果、男性らしい美しい装いを楽しめなくなってしまうのは非常にもったいないです。シャツに余計なデザインは必要ありません。シンプルに、品質で勝負するのが1番です。
<胸ポケットはない方がドレッシー>
日本製のシャツ事情
日本に出回っている既製シャツのほとんどが、胸ポケットの付いたシャツと言われています。つまり、日本で胸ポケットの付いていないシャツを着ている時点で、ほとんどの確率でビスポークである可能性が高いです。
今まで胸ポケットがないシャツを着たことがない方にぜひお勧めします。今のこの便利になりすぎた時代、あえて不便を買いにいきましょう。そこに真の豊かさが眠っていると思います。
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