オーバーコート


コートにはたくさん種類があり、ここでは伝えきれないので、わたしが最も好み、男らしさを増幅してくれる「チェスターフィールド・コート」と「トレンチコート」を紹介します。


チェスターフィールド・コート

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「チェスターフィールド・コート」は正装用コートで、最も格調高いコートといわれています。名前の由来はチェスターフィールド伯爵が好んで着ていたことからこの名がつけられました。今なお続く洋服の用語はこのような由来からつけられた名前が多く残っています。色はブラック・チャコールグレー・ダークネイビーの暗色系で、カシミアのような上質な生地を使い、前立はシングルブレステッドのノッチドラペル。3つボタンのフライフロント(隠しボタン式)、ウエストをジャケットのように綺麗に絞り、モーニング・コートなどの、後ろのテールがしっかりと隠れるほどのロング丈の物が本格的なものといわれています。

またこのコートの最大の特徴は、上襟部分に黒のベルベットをあしらっていることです。この黒襟のベルベットの由来は、フランス革命で処刑されたルイ16世へのとむらいを示す意味を込めて、ヨーロッパの貴族たちが首に巻いた黒い布から派生したものといわれています。フォーマル度が高いため、現代ではあまり見かけることはなくなりました。 

セミチェスター・コート

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チェスターフィールド・コートは格好よすぎる、普段のスーツの上にさらっと着たいということでしたら、「セミチェスター・コート」がいいでしょう。これは上襟のベルベットやフライフロントを取りはずした、カジュアルダウンしたチェスターフィールドです。素材もカシミアのような上質なものでなく、用途に合わせてよりカジュアルな素材を用いても大丈夫です。
冠婚葬祭などの儀式や、パーティのようなフォーマルな機会に着用するドレッシーな表情をもつコートを総称してフォーマルコートとよんでいますが、これに値するコートは「チェスターフィールド・コート」しかないといわれています。しかし現在であれば、セミチェスター・コートを選び、とやかく言われる場所は相当な上流階級でなければないと思います。

冬のパーティには必ずコートを必要としますが、くれぐれもナイロン素材の薄っぺらなコートやトレンチコート、またはダッフルコートなどのようなカジュアルなコートは着ていかないようにしましょう。歴史を振り返るとトレンチコートは軍服であり、ダッフルコートは漁師が着ていた服であり、正装をする場面で着用して行く洋服ではありません。ナイロン素材のぺらぺらなコートなどもやめましょう。

トレンチコート

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普段使いもでき、男として生まれたからには格好よく着こなせるようになりたいと強く憧れを抱いてしまうのは、「トレンチコート」ではないでしょうか。

有名ですが、「カサブランカ」という映画で颯爽とオーバーサイズのトレンチコートを着ていた、主役のハンフリー・ボガードのあまりの格好よさに世の男女は陶酔しました。このとき着ていたトレンチが「アクアスキュータム」であり、形もシルエットもほとんど変わらず、いまだに根強い人気を誇っているキング・オブ・トレンチコートです。
元々は、第一次世界大戦中に英国陸軍が塹壕(
トレンチ)戦用に開発し、採用されたところからこの名前がきています。

これも面白い話なのですが、トレンチコートは19世紀に流行した「アルスターコート」を原型にデザインしたとされ、このオリジナルを開発したのが「アクアスキュータム”A”quascutum」であるのか「バーバリー”B”urberry」であるのか、いまだに両者とも譲らない争いが起きているのです。これを互いの頭文字を取った「AB論争」とよんでいます。

ステンカラーコートやトレンチコートのような“アンファッショナブル”な洋服を格好よく着こなせる人が、やはりおしゃれな人なのだと思います。

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