第7章 タイ
Vゾーンの方程式
男のフォーマルには数多くの方程式があり、絶対的ルールがたくさんあります。そしてそれはVゾーンの構成にもあるのです。
まず、「スーツの襟幅(ラペル)」と「シャツの襟先の長さ」、「ネクタイの大剣(たいけん)の幅」は、ほぼ同じであるほうがよいという原則があります。
つまりスーツの襟幅が広くなると同時にシャツの襟先も長くなり、ネクタイの大剣の幅も広くなるという関係が、この三者にはあるのです。
このVゾーンは最も顔に近い位置にあり、人のイメージを一番作り出す箇所であり、とても大切な部分です。どんなに格好いいスリーピース・スーツを着ていても、Vゾーンで手を抜いていればおしゃれには見えません。フォーマルのコーディネイトは、一点だけが格好よくてもおしゃれには見えず、全体のトータルコーディネートができあがって、はじめて洒落者になれるのです。このVゾーンひとつでその人のセンスがわかってしまうといっても過言ではありません。
想像してみてください。スーツの襟幅(ラペル)が9cmほどのしっかりとした幅があるのに、ネクタイの大剣の幅が5cmほどのナロータイ(細いタイ)を結んでいる姿。このVゾーンはとても不協和音の漂う空間になってしまいます。
最近の国産のリーズナブルなタイは、太めでも8cmほどの幅が限度ですが、よりエレガントなVゾーンをつくりたい場合は、9cm程あるタイを選んだほうがいいです。たかが1cmとあなどっていてはいけません。その“たかが1cm”が、全体的に見たとき、“とても大切な1cm”になるのです。9cm程のしっかりとした男らしいタイをされたい場合は、思い切ってインポートのクラシックなタイブランドの中で探されてみてください。一本¥1,5万〜2万円ほどの価格帯で探せば、良質なタイは見つかるでしょう。
このVゾーンの組み合わせ方はもう経験を重ねるしかありません。ディンプルの作り方にしてもそう、ネクタイはどの程度浮かせるのが自分に似合っているのか、今日のシャツと相性の良い結び方はどんな形か。練習と失敗を繰り返し積み上げていき、毎日のコーディネイトを意識し続け研磨していきましょう。
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