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第6章 ネクタイ
Vゾーンの方程式
男性のスーツの着こなしには数多くの方程式があり、絶対的ルールがたくさんあります。それはVゾーンのバランスにもあると言われております。
まず、「スーツの襟幅(ラペル)」と「シャツの襟先の長さ」、「ネクタイの大剣(たいけん)の幅」は、近い長さであるほうがよいという原則があります。
つまり、スーツの襟幅が広くなると同時に、シャツの襟先も長くなり、ネクタイの大剣の幅も広くなるという関係が、この三者にはあるのです。
Vゾーンは、最も顔に近い位置にあります。人のイメージを一番作り出す箇所であり、とても大切な部分です。
どんなに格好いいスリーピーススーツを着ていても、Vゾーンで手を抜いていれば決しておしゃれには見えません。フォーマルのコーディネイトは、一点だけが格好よくてもおしゃれには見えず、全体のトータルコーディネートができあがって、はじめて洒落者になれるのです。このVゾーンでその人のセンスがわかってしまうといっても過言ではありません。
想像してみてください。スーツの襟幅(ラペル)が9cmほどのしっかりとした幅があるのに、ネクタイの大剣の幅が5cmほどのナロータイ(細いタイ)を結んでいる姿。このVゾーンはとても不協和音の漂う空間になってしまいます。
最近の国産のリーズナブルなタイは、太めでも8cmほどの幅が限度ですが、よりエレガントなVゾーンをつくりたい場合は、9cm程あるタイを選んだほうがいいでしょう。たかが1cmとあなどっていてはいけません。その“たかが1cm”が、全体的に見たとき、“とても大切な1cm”になるのです。9cm程のしっかりとした男性らしいタイをされたい場合は、思い切ってインポートのクラシックなタイブランドの中で探されてみてください。一本1.5万〜2万円ほどの価格帯で探せば、良質なタイは見つかるでしょう。
このVゾーンを上手に組み合わせる方法の最短距離はなく、もう何度も意識をして経験を重ねるしかありません。ディンプルの作り方にしてもそう。ネクタイはどの程度浮かせるのが自分に合っているのか、今日のシャツと相性の良い結び方はどんな形か。練習と失敗を繰り返し積み上げていき、毎日のコーディネイトを意識し続け、研鑽を積んでいきましょう。
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