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第4章 トラウザーズ
スリーピース/ツーピースのスラックスのサイジング
スリーピースとツーピース。一見すると、ただベストがあるかないかではないか?と思われる方もいると思います。
しかし、この2つには大きな違いがあります。
まず、トラウザーズ(スラックス)のサイジングは少し変えるのが理想です。
ツーピースのほうがカジュアルでスポーティな印象を与えるため、全体的にスリーピースよりスタイリッシュに仕上げます。
<ツーピースのスラックス丈=ノークッション>
<スリーピースのスラックス丈=ワンクッション>
トラウザーズの理想的な長さは、裾が靴の上にかかり、折り目が少し崩れるくらいです。
この崩れのことを、ワンクッション、ツークッションと呼びますが、洒落者はブレイクと呼びます。
なかなか聞き慣れず、かつ日常的に使う言葉ではないので、ワンクッション、ツークッションで覚えておいてよろしいかと思います。
生地やスタイルによって異なりますが、スリーピースの場合、パンツ丈は靴にワンクッション乗るくらい(靴の上でトラウザーズに“く”の字が出る程度)が理想です。
ツーピースの場合は、ノークッションとワンクッションの間位のイメージで仕上げると、良いバランスになるでしょう。
ツーピースの方が、わたり(お尻の下)部分から裾幅にかけてほんの少し細めに仕上げ、全体的にスタイリッシュな仕上がりにすると、バランスがいいです。
スリーピースはよりクラシックに、ツーピースはモダンなイメージです。
股上も、スリーピースよりツーピースは浅め(低め)にしてもいいでしょう。
ベルトを用いる場合は、細く薄く、真鍮(しんちゅう)の金具を使用した装飾性の少ないシンプルな物を選ぶことをオススメします。
昨今流行っている、立ったままでくるぶしが見えるくらい短い丈は、絶対に避けてください。自然に立った状態で靴下が見える丈では、短すぎます。
よく、「自分は足が短い」と仰られる方がいますが、そういった方こそ、股上の深いトラウザーズを履くことをお勧めします。
そのような悩みを持った方に限って、股上が浅く、タイトなパンツを履いて、身体のラインを露呈させています。
股上を深くとることで、目線を上に上げることができます。正しいスーツの着方やサイジングを学べば、その短所を活かし、長所に変えることができるのです。
自分の身体を美しく見せるコツは、見せずぎないことです。
マイサイズを突き詰める
ここまでツーピースとスリーピースのサイズの違いについて書きましたが、ここからは極論です。
究極の理想は、フォーマルでもカジュアルでも、2ピースでも3ピースでも、自分をより良く見せる理想的なサイズを決め、そこに洋服を合わせていくことが、メンズクラシックファッションとしての向かうべき道です。
洋服に合わせてコロコロサイズを変えるのではなく、ご自身の身長、体型、キャラクター、それらを踏まえた結果、このサイズに行き着いた。というのを追い求めていくことで、自己のスタイルがより強固なものになっていきます。
しかしそれは一朝一夕で手に入れられるものではありませんので、まずは洋服毎に適したサイズはどういうものなのかというのを、ぜひ知っておくことが大切です。
最終編集 2024年5月
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