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第10章 季節
季節を制する者はおしゃれを制する
仕事でスーツを仕方なく着ている方の多くは、年中同じスーツを着回している方が多いです。真冬でも裏地の付いていない背抜きのスーツを着て、「寒ければコートを着ればいい」と考えている方もいます。
わたしはお客様にはいつも、「季節を楽しみましょう」と言っています。多くの方が便利さのあまり、オールシーズン着ることができるスーツを求めますが、実は最終的には損をしてしまっているということを、ここではお伝えします。
365日 着ているスーツは休むことがないため、生地の傷みも激しく、寿命も短くなります。しかし季節に分けて着ることで、しっかりとスーツが休息をとることができます。そうすることで寿命が伸び、それに合わせて週に着る回数をしっかりと計算して着回しをすると、5年10年と着用することが可能になります。
夏の生地は薄く、耐用年数が冬物と比べると短くなってしまいますが、冬物の生地は肉厚で丈夫であるため、より長く着ることができます。季節ごとに合ったものを選ぶのが賢い揃え方といえるでしょう。
世の中的には春夏/秋冬と2種類で分ける考え方が一般的ですが、日本の真夏は異常な暑さです。わたしは、「春/秋(合物)」「夏」「盛夏」「冬」と、4つの季節に分けて考えるようにしています。
春秋は、「コットン」「シルク」「リネン」など、軽やかで鮮やかな色の生地。グリーンやサーモンピンク、ブルーなど、淡い色が春の訪れを感じさせてくれるので見た目にも気持ちがいいです。
冬は「ツイード」「カシミア」「アルパカ」「キャメル」等、起毛がかった温かみのある素材。色は暖色系が合います。
盛夏では「リネン」「モヘア」など、清涼感とハリのある素材。夏は色や素材の選択を間違うと、相手に不快感を与えてしまいます。色は淡いブルー、ホワイト、明るいベージュなど、軽やかな色を選ぶのがいいでしょう。
その季節でしか楽しめない素材や色があります。春になると色味が明るくなり、秋は段々とダークトーンに落ち着いていきます。
季節が過ぎたらしっかりとシワ、汗染み、汚れをスチーマーで取り、防虫剤を入れ、半年後まで綺麗にしまっておきましょう。可能であれば、数週間に一度でも外気にふれさせたほうがいいです。
オフシーズンのときにサイズ調整や、飽きてきたらボタンを替えてみるのも気分転換にいいでしょう。最後に着た日から半年も経っていると、季節が変わったときにまたそのスーツを着られることが非常に楽しみになってくるものです。
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