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第11章 その他
雨の日もおしゃれを愉しむ
雨の日も構わずおしゃれを愉しむことができれば、とても幸せなことだと思います。雨の日は洋服選びを妥協する人が多いと思いますが、年間の雨や雪の日を数えると、意外と多いものです。ぜひおひとつずつでも、雨の日にしか着ない服、履かない靴を揃えてみてください。
雨の日のコート
<トレンチコート Wool 100%>
雨の日に着るコートの定番はやはりトレンチコートです。「カサブランカ」のハンフリー・ボガードのトレンチ姿は時代を越え、世の男女たちを魅了し続けています。
トレンチコートは元々、第一次世界大戦の軍用として生まれたものでした。塹壕(トレンチ)で活動していた陸軍に給付していたことからこの名がついています。
新品のトレンチコートを着ても、まるで小学一年生のランドセルのようです。軍用や労働者の作業着から派生している洋服は、くたくたになるまで着るから格好よさがにじみ出てくるのです。デニムと一緒にお風呂に入りアジを出すという話があるように、トレンチコートは軒先にしばらく干しておき、風雨にさらしておくのもいいかもしれません。
わたしは物持ちでどうしても一着一着、着る機会が少ないため、はじめからアジの出ている古着を購入しました。ベージュ、カーキ(玉虫)と2着、愛用しています。
トレンチコートは若い頃より、少し枯れてきたくらいの年頃の人のほうが似合います。年をとらないと似合わない洋服があるというのはうれしいものです。
コットンの裏にゴムを貼り、防水性を高めた「ゴム引きコート」もオススメです。代表的なブランドは「マッキントッシュ」。最近ではほとんどのセレクトショップで見かけるようになりました。モダンな印象のあるゴム引きコートですが、100年以上前からある伝統的なコートです。こういったコートは、日常的に着るのではなく、雨の日だけ着るからこそいいのだとわたしは思います。
今では化学繊維の技術も進歩し、薄手のナイロン素材のコートなどで撥水加工されているものがたくさんあります。しかし、本当におしゃれを愉しみたい方は選ばないほうがいいでしょう。時代に流されない不変的なものを愛することが、自分自身の品格も高めていくことにつながります。
雨の日用の靴
ビジネスで履くものであれば、グレインレザー(表革に型押しされたレザー)や、スウェード靴が雨の日には適しています。スウェード靴が雨の日の適している理由といたしましては、表面が毛羽立っているため、毛先で雨を受け止めシミになりづらいという点が挙げられます。雨の日、お出かけになるときは防水スプレーをお忘れなく。
<グレインレザー>
<スウェードレザー(裏革)>
傘(UMBRELLAS)
多くの日本人がないがしろにしている傘ですが、雨の日のトータルコーディネイトではとても大切なアイテムです。できれば一本、本物を持たれてみてください。良い仕立てのスーツを着ていても、ビニール傘ではせっかくの格好が台無しです。
英国の老舗で「FOX UMBRELLAS」という傘ブランドがあります。高価ですが、持っているだけで高級バッグを凌ぐほどの存在感を出す傘です。強風の日を避けて使っていただけたら、長く使えます。パートナーにフォックスの傘をプレゼントするというのもなかなか粋で素敵だと思います。
<FOX UMBRELLAS>
「傘はすぐ無くすからビニール傘でいい」という方もいますが、いい傘を買うと無くさないよう意識をすると思います。また、我々日本人が傘を無くしてしまう理由は、傘を機能としてしか使っていないからです。イギリス人は傘をコーディネート、いってしまえば身体の一部のような存在として扱っています。英国では傘を無くすということは、まだ本当に愛着を持っていない証拠だと言われてしまいます。
雨の日用のウェアとお気に入りの傘があると、雨の日が少しだけ楽しくなると思います。
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