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第3章 ジャケット
たかがラペル、されどラペル
「ラペル(lapel)」はジャケットの襟の部分のことを言います。「折り返った部分」という意味です。
元々、学ランの原型であった軍服のボタンを2,3個開け、襟を倒して着ていたことが、現在のテーラードジャケットの形のはじまりといわれています。
このラペルも、着丈の長さのように、流行で幅の広さが変動します。2000年代のモードブームの影響で、ここ数年ずっと細いラペルが流行っていましたが、また最近はクラシック回帰があり、ラペルの幅が広めに戻ってきています。だいたい流行では、6∼8cm辺りを行き来しています。このラペルの幅の広さ次第で、見た目の印象は大きく変わります。
たとえば、顔の大きな方が、肩幅が狭く、ラペルの細いスーツを着ていたとしましょう。
アイドル歌手のような細いラペルのジャケットを着ることで、その人の顔は必要以上に大きく見えてしまうことになります。そういった方の場合は、ラペル幅を広めにとり、肩幅もジャスト、または少しだけ広めの物を着用することで、顔が大きい印象をカバーできるようになるのです。
ラペルは顔にとても近い部分のため、ここが1~2cm変わるだけで、印象がとても大きく変わります。
細めのラペルは、”若々しい(わるく言えば子供っぽい)”印象を与えます。
広めのラペルは”落ち着き”、”貫禄”、”説得力”、”安心感”という印象を与えることができます。
体型によって似合うものは異なりますが、流行り廃れに流されないスタンダードな幅は、シングルであれば8,5〜9,5cm、ダブルであれば9,5〜10.5cm位が理想的です。
それ以上かそれ以下であれば、日常的なワードローブとしてではなく、非日常に着るお洒落着という感覚でお考えください。
ラペルにはいくつか形がありますが、ここでは代表的な2型をお伝えいたします。
<ノッチドラペル>
「ノッチドラペル」は多くの人が着ている一般的なラペルです。ノッチドラペルの角度が少し上がった物を「セミノッチ」とよび、イタリアのスーツによく見られるデザインです。
<ピークドラペル>
「ピークドラペル」は、ラペルの先が剣のように尖っているラペルのことを差します。このピークドラペルの角度が少し下がった物を「セミピーク」とよびます。
ピークドラペルはドレッシーなデザインのため、ビジネスで着る場合は少々過度な印象を与えてしまいかねません。あまりワードローブ用で着るスーツには適しておらず、「ディナー・ジャケット(タキシード)」やダブルブレステッド・スーツのような、華やかな洋服に合うラペルです。
このラペルの広さ次第で、人の見た目の印象は大きく変わります。
ご自身にとってベストな幅を、ぜひ探してみてください。
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