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第1章 洋服の哲学
失敗をおそれずにお洒落をしよう
最近、当たりさわりのない、無難なコーディネイトをしている人たちが増えたように思います。
ネットやSNSを見れば、教科書のようなカッコいいコーディネートがすぐに見つかる時代です。まわりからセンスがないと思われたくないため、ベーシックでシンプルなものを着ておけば間違いない、と自分の個性を出さずにいる人も多いと思います。
昨今の既製服が似通った洋服ばかり出回っているのも、要因のひとつです。それは、日本人のカッコいいの方程式がほぼ確立されつつあることで、それにならった洋服が街に溢れてしまっているからです。だからと言って、レディ・ガガや、原宿の竹下通りから飛び出してくるような個性的な格好も、特定の場所以外では場違いな人になってしまいます。
何事でもそうですが、人は失敗をして、悔しい思いをして、それを乗り越えたいと思う経験をしてはじめて、理想の人間に近づいていくのだとわたしは思います。挑戦することは、年を重ねていく毎にどんどん難しくなっていくでしょう。社会の目を意識しなければいけなくなる大人になってからでは、なかなか殻をやぶった行動はできなくなってしまいます。
これは強く言いたいことですが、センスは若いうちから、常日頃挑戦し続けないと育ちません。
たまに、「お金持ちになったらたくさんいいものを買えるから、まずは稼ぎたい」という方がいらっしゃいます。
はっきりと申し上げますが、年を重ねて成功し、財を成してからおしゃれに挑戦している人で、本当にオシャレだと思える人は皆無に等しいです。
自分のおしゃれレベルがまだ1なのにも関わらず、お金はあるから最強の武器をそろえられてしまうような状態です。想像してみてください。見た目はいかにもおじさんという風貌の方が、身の丈に合っていない派手な洋服を着ている光景を見たことがあるかと思います。
先にお金を手にすることで、自分自身と洋服が釣り合っていない、バランスのわるい姿になる可能性が非常に高いのです。
若いうちから、まずはお金をかけずにおしゃれを楽しむ方法を身につけ、価格とクオリティの連動をしっかりと見極めるのです。
そして、年齢とライフスタイルと共に、洋服のレベルを徐々に上げていくことが、確実な道です。
そういった過程を進んでいくと、安価で作られている物から高価な服の違いも顕著にわかるようになり、本当に高価なものを見定める感性が育っていきます。
その変化を感じるたびに、嬉しくて感動するでしょう。その感動が血となり肉となり、みずからの人格となっていきます。
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