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第7章 革靴
靴を永く履き続けるためには
男性なら誰しも、いい靴を手に入れたら永く履き続けたいと思うでしょう。良質な靴は、直していくことで20,30年と履き続けることができます。より永く履くためには何をすればよいのか、わたしなりに考えてみました。
靴の雑誌を見れば、先人達がお気に入りの靴を公開しているページを見かけます。
「この靴は20年前に購入した靴で、かれこれ(※)オールソールを3,4回やっている」
というような話を聞きますが、オールソールという修理は、靴自体にかなり負担のかかる修理です。
( (※)オールソール=靴底をはがし、新しい底を付け替える修理のこと。修理価格は1,2~1,5万円程 )
オールソールは、履きこんで馴染んだ靴に全く新しいソールを付けるため、微妙に履き心地が変わってしまいます。そのため、できれば最終手段にしておくほうがいいとわたしは思います。
<ハーフラバーソール>
わたしはまず新しい靴を購入したら、革底に「ハーフラバーソール」を張っています。これには賛否両論ありますが、靴を永く履くということを考えると張ったほうがいいとわたしは思っています。滑りやすいタイル社会の日本では、革底のまま履くことで滑りやすいという危険も回避することができます。
賛否の否で言いますと、靴が吸い込んだ足の汗が、靴の底から抜けることを妨げる。または、底に一枚張り足すため、靴の本来の柔らかな履き心地が失われてしまう。というような意見があります。わたしはこれらの意見を踏まえたうえで、ほとんどの靴にハーフラバーを張っています。美しく軽やかに靴を愉しみたい方は必要ないと思いますが、永く靴を履き続けていきたい方には、ぜひ使っていただきたいアイテムです。
ラバーの色は黒だけではなく、ベージュ~黒まで5種類ほどあるため、靴の底の色に合わせて選ぶことができます。ちなみにわたしはいつも、上の写真のように少しカーブをかけて貼ってもらっています。真っ直ぐ貼るよりも、少しだけ見た目がよくなります。
また、かかともすり減り易い箇所なので、革部分まで到達していないか確認することも忘れずに日頃からチェックを忘れないようにしましょう。革までいってしまうと、ベージュの色が露わになって見えてしまうため見た目の印象がわるいです。ラバー部分がすり減ってなくなってしまいそうでしたら、なるべく早くリペアショップに相談してみてください。
ハーフラバーもかかとの修理も、いずれも3,000円前後でできます。
このように、かかととハーフラバーの減りを確認し、交換することを習慣にすることによって、オールソールをする必要をできるかぎり減らしていきます。
面倒ではありますが、靴の修理屋も駅中にあるような簡易的なお店ではなく、しっかりと修理専門で看板を立てているお店に持って行くほうが、技術がしっかりしているため信頼して出すことができます。よりクオリティの安定を求めるのでしたら、お店単位ではなく、その人にお願いできるような場所を探してみてください。
最後に、わたしはほぼすべての靴にハーフラバーを貼っていますが、唯一貼っていない靴があります。それは「ストレートチップ(キャップトゥ)」です。わたしがストレートチップを履くときは、何かの催し物に呼ばれたときだけなので、たくさん履いて歩きまわるためのハーフラバーは付けていません。ご参考までに。
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