洋服の組み合わせでどれとどれが合うのかを判断する方法は、その洋服の歴史をたどっていくと見えてきます。まず、大きく「フォーマル」と「スポーティ」の服装に分けましょう。そして、該当するアイテムがどちらから生まれたものなのかを考えると、コーディネートの組み合わせがわかりやすくなります。
いきなりこんなことを言われても、それを判断する基準がわからないからどうしようもない、ということもありますので、ここで２つを見定める方法をお伝えします。

この２つには大きな違いがあります。フォーマル発祥のものは、簡素で、機能性に長けておらず、美しさを優先して作られたものです。
反対にスポーティなものは機能性に優れており、ディテールが多く施されており、耐久性を求めた素材を使っているものだとお考えください。
フォーマルから生まれた服と、スポーティから生まれた服はマッチしません。

たとえば、貴族階級から誕生したスリーピース・スーツは、国民のスポーツから生まれたボタンダウン・シャツや、労働階級の人たちから生まれた外羽根式の靴やローファーとは合いません。スリーピース・スーツには、貴族階級が愛した、内羽根式のシンプルな靴に、糸の細い上質でプレーンなシャツが合うのです。

ボタンダウン・シャツや外羽根式の靴のようなスポーティでカジュアルな服は、例えばスコットランドの労働者階級から生まれた、ツイードのようなカジュアルなものとの相性が抜群にいいのです。

まれにデニムにタキシードを合わせるというようなコーディネイトも見られますが、それは今まで数え切れないほどたくさんの洋服を着てきた卓越した洒落者でないと、格好良く着こなすことはできません。歴史とルールにしたがい、徐々にポニーからサラブレッドへと乗りこなせるようになっていきましょう。

グレーのスーツに茶のフルブローグ靴はあまり合いません。そして、

ツイードジャケットに黒のストレートチップも合いません。ですが、上の写真のアイテムをそれぞれ交換すると、どちらも合う組み合わせになります。