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第3章 ジャケット
ブレザーをオーダーしてみよう
アメリカのアイビーリーグ出身者のなかで好まれているブレザーですが、実は発祥は英国です。シングルとダブルで、2つの説が有力と言われています。
シングルブレステッド
1829年、ケンブリッジ大学とオックスフォード大学の学生たちによるボートレースが、イギリス、テムズ川で行われました。そのときにケンブリッジ大学セント・ジョンズ・カレッジのボート部レディ・マーガレット・ボートクラブの学生たちが、真っ赤な母校のカレッジカラーであるフランネル素材のブレザーを着用していたことが、「燃えるような赤(Blaze)」ブレザーのシングルブレステッドの始まりと言われています。
19世紀半ばにはあらゆるスポーツでも広く着用されるようになり、1890年頃には、辞書にフランネルのカジュアルなジャケットをブレザーというと採用されるようになりました。20世紀以降にはアメリカにもわたり、アイビーリーグの学生たちもブレザーを好んで着用していくことになります。
ダブルブレステッド
ダブルの上着の起源はポーランド騎兵の服装と言われております。乗馬の際に風が入らないように打ち合わせがダブルになり、18世紀に入ると軍服に採用され、広く浸透していきました。この形が世に広まっていったのは、イギリス海軍のブレザー号(HMS Blazer)であると伝えられており、艦長が全乗組員のジャケットを揃え、着用させた。それを見た他の艦でも、制服を揃えることが流行していった。水兵の制服が正式に導入されたのが1850年代であることから、シングルとダブル、どちらも発展していったのは19世紀中頃であることが伺えます。
<BERUNのBlazer>
一般的に有名なアメリカントラッドのスタイルのデザインはほぼ確立されています。ネイビーのフランネル生地に段返りの3つボタン、ポケットはパッチポケットでセンターベント(もしくはフックベント)というシンプルな仕様です。ボタンはゴールド(時にシルバー)のメタルボタンで、袖口のボタンは2個。これがアメリカントラッドのブレザースタイルです。
下には幅広のフランネルパンツを合わせ、オックスフォード生地のボタンダウンシャツ、タイはレジメンタルタイというコーディネートが定番と言われています。
ちなみに「(※)フランネル」という生地は、日本語では「フラノ」とよばれています。これは古いウェールズ語の”グワレン(gwalen)”=「ウール地」というところからきているといわれています。
(※)フランネル(flannel)=紡毛素材。表面が起毛がかった生地。厚みがあり、空気を含むため暖かく、冬の素材としてよく用いられます。
BERUNで作るブレザーは英国式のため、少しスタイルは異なります。生地はネイビーのモヘアが混じった光沢感とハリのある生地を主に使います。ボタンはシルバーで、サイドベンツ。ジャケットに趣向性は極力持たせず、コーディネートでスタイルを作っていくようにシンプルな作りにしています。シンプルだからこそ、シルエットや素材感が本当に大切です。だからこそ、時代に流されないブレザーは1着オーダーをしておくと、長く活躍できるアイテムになります。
<メタルボタンにサイドベンツ>
IVYブーム真っ盛りで育った初老紳士の方々は、好んでブレザーを着ていたことがあると思いますが、今の若い年代の方は、制服以外で着用したことのある人は少ないのではないでしょうか。ブレザーはメンズトラッドファションの”柱”ともいえるアイテムです。合わせ方は無限大で、フォーマルに着ることもカジュアルに着ることも可能なアイテムです。
たとえば前述しましたように、グレーのトラウザーズを履き、タイ(ボウタイでもいいですね)を合わせるだけで、結婚式の二次会にも行けるほど、カチッとした装いになります。
伝統的な合わせは白のフランネルのトラウザーズに、白のホワイトバックス・シューズ(白のスウェードシューズ)を履くスタイルです。想像するだけで格好いいですね。
デニムを履き、ボタンダウンシャツ、ニットタイやレジメンタルタイなんかで合わせると、アメリカの伝統的なブレザースタイルになります。
ビジネスで着られたい方で、メタルボタンが気になる方もいらっしゃると思いますが、ブレザーのメタルボタンは正統派のスタイルです。むしろ目上の方に会う場合は「しっかりとしたブレザーを着ているな」と思ってもらえると思います。年上の方であればある程、ブレザーに好感をもつ方は多いはずです。
もしくは夏のブレザーはメタルボタンではなく、貝ボタンにしてもいいでしょう。そう考えると、ブレザーは普遍的で、かつシーズンも問わない大変便利な一着です。
ブレザーほど、着こなしの幅が無限大に広いアイテムはありません。自分らしさを出すこともできますし、王道に忠実にいくこともできます。ぜひ、ベーシックな一着を揃えられることをお勧めします。
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