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第12章 お手入れ
自分でスラックスにアイロンをかける
しばらく履いていると、おろしたての当時は綺麗に入っていたクリースラインが、徐々に消えていきます。
このラインをどうやって付け直そうか。人によってはクリーニングに出すから自分ではやらないという方もいるでしょう。
わたしはあまりクリーニングに出さないので、このラインは自分で付け直しています。ここではそのやり方をお伝えいたします。
まず用意するのは、①アイロン(+アイロン台)、②霧吹き、③当て布(綿素材)の3つです。
スーツに直接アイロンを当てると生地が光ってしまうので、当て布をしてかけていきます。
まず一つポイントですが、アイロンはしっかりと重さをかけてやっていきます。上の写真のように、昔ながらの重い銀のアイロンが理想です。ですが現代の家庭にはあまりないと思います。現代のアイロンは軽くて滑りがいいことが特徴になっているので、自分で重さをかけていくことが必要になります。
裾口からラインを引っ張り、ベルト部分のラインと直線のラインを出して横にします。
その上に当て布をして、霧吹きをかけて体重をかけてアイロンをしていきます。
しっかりと丁寧にやると意外と重労働で、一本で20分くらいはかかる作業です。ラインがずれていないか、当て布をめくりながら、重さをかけてやっていきます。前部分と後ろ部分をやり、裾がダブルであったら、ダブルの裾にもかけていきます。このとき気を付けなければいけないのは、たまにダブルの裾口をスナップ釦で留めているものがありますので、そのような仕様の場合は、スナップ釦にかけるとその部分が光ってしまので、やめましょう。
アイロン作業は地味で面白味がないかもしれません。ですが、自分のアイテムの状況、コンディションをじっくりと見ることができる機会です。ラインが消えたら、ぜひご自身でメンテナンスしてみてください。
一般的にはズボンプレッサーというものが商品化されており、あの製品はどうかと聞かれることもあるのですが、わたしは決してお勧めしません。なぜなら、ズボンを挟んで一発で綺麗なラインができるはずがないからです。高い確率で、違うところに別のラインができてしまいます。めんどくさがらずに、しっかりとラインを作り直したいときは、アイロンを使ってやることをお勧めします。
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