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第13章 映画
ファントムスレッド
新しい映画で久しぶりに洋服で感心した映画です。
ファッションに限らず、世界観、車、建物、全てが美しい。内容な全く知らずとも(笑)、観る価値のある映画です。
主演のダニエル・デイ=ルイスの服装がとても格好いい。この映画のファッションはとてもよく考えられています。
彼は女性のオートクチュールドレスのデザイナー。クチュールのデザイナーは柔らかく、軽やかな洋服ばかり着ているのかと思いきや、彼の私服はツイードジャケット。
以前、イタリアの生地メーカーの社長と個別でお話しする機会がありましたが、そのとき彼が着ていたスーツの生地はイギリス製でした。
彼は「日常的に着るならイギリス製が1番」と内緒だよっとジェスチャーをしながら話してくれました。(ここで書いてすみません笑)
我々が日常的に着るもので、しなやかさ、柔らかさを求めるシーンは一体どのくらいあるでしょうか。
どちらかと言えば、タフであったり、長く着られるというものの方が、良い服であると思うのです。
作中のダニエル・デイ=ルイスは、オートクチュールブランドで大成功しています。その彼が着ているツイードジャケットがとても格好いい。ツイードジャケットの首元はスカーフを巻いています。この様がクチュールデザイナーらしいエレガントさを出しています。
そして特筆すべきは、彼のジャケットの仕立てがとても柔らかいことです。
クチュールのデザイナーだからこそ、生地はタフであっても、仕立ては柔らかく上等であるべき、という彼の信念が伝わってきます。
クラシック映画とのファッションの違いはここにあります。クラシック映画ではこの柔らかさはありません。
現代に生きる、次のクラシック映画になるべき作品だとわたしは思います。
内容はわたしには全く共感できませんが、思い立ったときにふと観たくなる映画です。
ちなみに余談ですが、ダニエル・デイ=ルイスの狂気にも似た抜群の演技力を感じた映画といえば、「マイレフトフット」です。素晴らしい映画ですので、ぜひご興味ありましたら。
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