早速ですが、スウェードの靴はお持ちでしょうか。

洋服がお好きな方でしたら言わずもがな、当たり前に持っていらっしゃるかと思います。
しかし、今勉強中！という方はまだお持ちでないかもしれません。
また、食わず嫌いをしている方もいらっしゃるかもしれません。
わたし自身はスウェード靴がとても好きで、皆さまにこの章で強くお勧めしたいです。

プレーンな顔つきの表革とは異なり、程よいカジュアルさがあるスウェード靴は、まさに昨今のカジュアル化の雰囲気にもちょうど合う靴です。

スウェードとは、表革の裏面を使用した革のことを指します。
似たような質感ではヌバックという革もありますが、そちらは表革の銀面（表面の革）を薄く削り、その削った面の方をヌバックと呼ぶため、スウェードとは違う革となります。

スウェード靴がいつ活躍する靴かといえば、ズバリ春・秋・冬です。
空が冷たい色になり、ひんやりとした空気感の日に、暖かみのあるスウェードという素材はとても合います。

余談ですが、スウェードとツイード、この２つを言い間違えてしまう方が多くいらっしゃいますので、そこはお気をつけください。
しかし、言葉を付け加えるとしたら、スウェードとツイードは間違えてしまうくらい、相性のいい組み合わせです。
ツイードジャケットにスウェード靴というのは、まさに永遠の定番、英国のカントリースタイルです。

初めに揃えるべきスウェード靴は？

わたしがまずはじめに揃えるスウェード靴でお勧めしたいものは、底がダイナイトソール（ゴム底）になっているものです。
スウェードは表革よりも足当たりがいいため、履き心地がいいことが特徴として挙げられます。
その履き心地がいいスウェードに、底をゴム底にすることで、より履き心地がいい革靴になるのです。
わたしはスウェードでゴム底の靴は、旅行の時や雨の日など、今日はたくさん歩くだろうなと思ったときに履きます。
実際、フィット感が素晴らしく、履き心地もとても良いため、スニーカーよりも疲れません。

スウェードは夏はNGなのか？

春・秋・冬に活躍する靴ですが、では真夏は履けないのかと言いますと、そうではありません。しかし、靴の色を考える必要があります。

30度を超えた真夏日に、ダークブラウンのスウェードを履くのはやめた方がいいかもしれません。
周りから見て暑苦しく思えてしまいます。
装うことは、常に周りへの配慮、心配りが必要です。

真夏にスウェードを履きたい場合は、明るめのブラウンか、ネイビーがお勧めです。
ネイビーのスウェード靴というのはあまり聞き慣れないと思いますが、意外と使い慣れると便利なもので、わたしはお客様によくご提案しています。
ネイビーのスウェードを履いたときは、ブルー系のコーディネートにまとめた方が素敵です。
また、ネイビーのスウェードは靴自体に華やかな雰囲気がありますので、必要以上に着飾る必要がないことも便利な要因です。
王道の靴ではありませんが、わたしはこのような靴も、お好きな方でしたら持っておいてもよろしいかと思います。

スウェードは手入れが面倒？

スウェードのお話をしますと、
「スウェードって手入れが難しそう」
とよく言われます。
いえいえ！そんなことはありません。むしろ、表革よりもよっぽど簡単です。

使うものはスウェードスプレーとスウェードブラシ（豚毛の硬めのブラシでも大丈夫です）だけです。
このスウェードスプレーには、革の栄養分、退色していった革を補色する色付け、そして防水効果と、3つの役割を担っているものがあります。

出かける前にスウェードスプレーをして、ブラシで毛並みを整える。ザッツオール、以上です。

スウェードは雨の日にこそ活躍する

「スウェードは雨の日に履く靴です」
と言うと、
「えっ雨の日には履いてはいけない靴ではないんですか？」
と言われることが多いです。

多くの方が、毛先があるスウェード靴に対して、雨の日には履いてはいけない、と思っているそうです。
ですが、スウェードは雨の日にこそ活躍します。

まず、スウェードの毛が雨の粒をおさえます。雨がスウェードに浸透しても、表革のようにシミにならずに、全体を通してしっとりと浸透していくのです。
ご自宅に戻られたら、軽く表面をブラッシングし、1日休ませてから、スウェードスプレーを再度吹きかければOK。

非常に日常の手入れも簡単で、こなれた雰囲気の出るスウェード靴。わたしはもっと多くの人に、この靴を履いていただきたいと思っております。