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第5章 シャツ
クレリックシャツを愉しむ
襟と袖口が身頃とは異なる白い生地で作られているシャツがあります。日本ではクレリックシャツと呼んでいます。
クレリックシャツは実は和製英語で、英語での正式名称は、「カラーセパレーテッドシャツ」、「カラーディファレントシャツ」、「ホワイトカラーシャツ」という名称があります。
クレリックシャツの起源ですが、クレリックという名前は牧師という意味であり、牧師が着ていた僧服に似ていることから、この呼び名が付けられたと言われています。
1920年代に英国で流行したクレリックシャツは、時代を超えて、2005年、チャールズ皇太子が結婚式で着用したことで、世界的に評価され、今や紳士の定番アイテムとなりました。
このクレリックシャツはジャケパンというよりは、スーツの方が合うシャツです。
やはり英国の匂いを感じる洋服は、スーツスタイルに合います。
合わせ方を間違えてしまうと、途端にダサくなってしまいますので、コーディネートのルールをしっかりと覚えましょう。
一般的に、サックスブルーのシャツに、襟と袖を白くするスタイルが多く見られます。
わたしはロンドンストライプという、2色の等間隔のストライプ柄の生地をクレリックにするのが好きです。
色柄もののシャツをビスポークしたら、実は2度楽しめるというのはご存知でしたでしょうか。
他の章でお話ししていますが、オーダーしたシャツは襟と袖を交換することができます(私共の店ではやっておりますが、そのような修理は対応していないお店もあるかもしれません)
最初にサックスブルー一色のシャツを存分に愉しみましょう。2,3年着ていたら、襟や袖が痛んでくると思います。
そうしましたら、襟と袖を白い生地に変更するのです。
するとあら不思議!(笑)クレリックに早変わりします。
古くなったシャツがガラッとイメージチェンジもできます。
わたしのお客様で、何枚もシャツをお直ししていたら、気がつけばクレリックシャツだらけになっていたという方もいらっしゃいますので、バランスを見て変えましょう。
ごくたまに、ボタンダウンのクレリックシャツなんていう”まがいもの”のシャツが売られていますが、それには手を出さないようにしてください。
前述しましたように、クレリックは元々、清楚潔白の牧師が着用していたから着想を得ています。
スポーティなボタンダウンが合うシャツではありません。
この話の流れでお伝えしますと、クレリックの半袖シャツというのもNGです。
「クレリック×カジュアル」というのは水と油のようなものです。
クレリックシャツを格好良く着るためには、ヘタに遊ばずに、真っ当な着こなしで楽しむことをお勧めします。
クレリックシャツに合わせるネクタイですが、これは無地か、小紋柄がいいでしょう。
無地は万能なネクタイなので、色さえヘタなものを選ばなければハマります。
よりVゾーンのレベルを上げたいのでしたら、ぜひ小紋タイに挑戦してみてください。
ネクタイの種類については、こちらの項目に詳しく書いております。
合わせてはいけないのは、ストライプ柄、通称レジメンタルタイと呼ばれるものです。
シャツとネクタイがストライプ同士になってしまうと、コーディネートが喧嘩してしまいます。
最後になりますが、一般的なクレリックシャツは襟と袖が白いものですが、これは実はフランス式なのです。
英国式のクレリックシャツは、”襟のみが白”です。袖は身頃と同じ生地です。
英国式のクレリックシャツは、日本では既製服でほとんど見かけないので、これを着ていたら、ビスポーク感が出て素敵ですね。
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