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第2章 スーツ
スーツスタイルに合う鞄は
スーツスタイルに合う鞄とは
仕立て屋をやっていますと、スーツ以外の相談をいただくことも多くあります。(それがとても愉しいのですが)
質実剛健なスーツを着用したら、どんな鞄を合わせるべきか、悩む人も多いと思います。ここでは、わたしが選ぶ鞄のポイントを、いくつかお伝えいたします。
トートバッグはNG
まず、持ち手が長いもの、トートバッグは使わないようにした方がよいでしょう。地面に着きそうなほど持ち手の長い鞄を持って、身体を無意識に反対側に傾けて歩いている人をたまに見かけます。残念ながら、美しい身なりではありません。
ガバッと開いて物を雑多に出し入れできる大きなバッグは、カジュアルな格好のときにはいいですが、エレガントさが欠けるため、スーツスタイルには合いません。
また、持ち手が長いことで、色々な持ち方ができてしまいます。肩にかけたり、手を肩にまわしてバッグを背中にかけるような持ち方は、決してスマートではありません。
スーツにリュックはどうなのか
最近、スーツにリュック(バックパック)を背負う人が増えていますね。こちらもお気をつけください。ですがこれに関しては、ただ楽だからという人もいれば、荷物の量や仕事のスタイルで、仕方なくリュックを使っているという方もいます。後者の意見の方には、リュックのスタイルのときはカジュアルなスタイルにして、リュック以外のときにしっかりとしたスタイルをするというように、2パターンに分けて着ることをおすすめします。
残念ながら、リュックを背負いながらお洒落なスーツスタイルを追求することはできません。そのときは、アクティブで軽快な印象だけ与えることに徹した方がいいと思います。
わたしなりに、もしスーツにリュックを合わせるならどんなものがいいかを考えてみました。やはりナイロン素材は合わせたくありません。シンプルなレザーで、大きすぎない小ぶりなものがいいです。
<SOMES>
また手で持つタイプのバッグで、2,3wayでリュックにもなるというものでしたら、あらゆるシーンで使うことができます。服飾の世界は、色んなシーンで使えるという幅の広いアイテムは、利便性を追求していて美しさを排除しているものが多いため、普段は決してお勧めしません。ですがリュックを使用している方は、利便性を第一に求めているため、その場合は良しとします。
スーツに合う鞄の究極の理想形は
それでは、スーツに合わせるカバンはどんなものがいいのでしょうか。
ポイントは、素材が革で、持ち手が短く、構築的な作りで(自立する)、ファスナーやスナップで留めるタイプではなく、金具で留めるバッグです。
これに倣うと、ブリーフケースやダレスバッグが浮かびます。わたしの好みですが、グローブトロッターもありでしょう。
持ち手が短いため、腕や肩にかけられない。持ち方が一つしかありません。逃げ道のない、ストイックな鞄が真のビジネスマンには合います。
<万双>
<Keiichiro>
ジャケットスタイルにはどんな鞄が合うのか
それでは、少しカジュアルになったジャケットスタイルにはどんな鞄が合うのでしょうか。
その場合は、スーツのときに合わせていたダレスバッグでは見た目が重すぎてしまうため、あまり相性がいいとはいえません。ブリーフケースは、黒は色が重いため避けた方がいいですが、雰囲気が暗すぎなければ他の色は合わせても大丈夫です。
スーツスタイルではNGとしていたファスナーで開けるタイプの鞄も、ジャケットスタイルの場合は合わせられます。
<Ralph Lauren>
<万双>
これまでお話ししましたが、これは英国式の質実剛健なスーツやジャケットスタイルのときのコーディネートです。もう少し柔和な、イタリアスタイルの洋服には、もっと柔らかな風合いの鞄を合わせてもいいと思います。
コーディネートの仕方を覚えるためには、はじめにフォーマル、最上ラインを知っておくことが大切です。そこから徐々に、少しずつカジュアル化していけばいいのです。まずはしっかりとした形の鞄スタイルを覚えておくと、後々困ることはないでしょう。
(※いくつかの写真は、私が信頼しているブランドのものをお借りしています)
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