ファストファッションのような安価な服をのぞき、ある程度の金額を出すなら、後悔のない買い物をしたいと誰しも思うでしょう。本当によい物は、購入したときの高揚感が永続的に続きます。

たとえば、今まで２万円ほどのスーツしか着たことのなかった人が、意を決して10万円の高価なオーダースーツを誂えたとします。それは今までのスーツを５着買えてしまう価格ですが、着るたびに高揚感が沸きます。２万円のスーツは今後、何十着買おうと高揚感を感じることはないでしょう。

わたしは、「普段 買っている価格のスーツを３回我慢して、１着本物のスーツを購入しましょう」と話すことがあります。これは、「３度居酒屋に行くのをやめ、１度寿司屋に行け」という話と同じ発想です。ぜひ人生のきっかけの一つとして、背伸びをして良質なスーツを購入してみることをオススメします。
いざ仕立てたスーツを着て今まで通りに生活してみると、２万円のスーツを着ていたときには決して言われることのなかった、「素敵なスーツですね。今日は何かあるんですか？」という言葉を、着るたびに会う人から言われるようになります。１日３件の商談があれば、３回褒めてもられます。これは決してただの自己満足ではありません。まわりからそのように日々 言ってもらい続けることで、根本から自信が沸いてくるでしょう。そしてその自信は、少しずつ内面の魅力にも反映していくものです。
洋服は自分のためだけではなく、誰と、どこで会うのか、ということも考えたうえで選ぶことが、大切であり、愉しいのです。
その装いを貫いていると、いつの日か、「今日は何かあるんですか？」ということを言われなくなります。そのスーツを着ていることが何も特別なことではなく、日常のことなのかと、周りに理解されたとき、また違う世界が見えてくるはずです。

高価なものは、良質な素材を使用し、腕のいい職人の高い技術によってつくられているため、着用すればほど魅力が増していきます。これが、半永久的に高揚感が続く理由のひとつです。魅力と高揚感は“複利”のごとく、日々増幅していきます。