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第5章 シャツ
シャツの正しいネーム位置
現在巷にあふれるオーダーシャツのネーム位置は、二の腕や袖口に付いている場合が多いですが、それらは歴史にならうと、正しい位置ではありません。
シャツのネームの正しい位置は
シャツのネームの理想的な位置は、左胸とウエストの間に入れます。この位置ですと、ウエストコート(ベスト)を着たときにネームが隠れます。そもそもネームは、他人に見せる物ではなく、自分の物であるという証明であり、わざわざ目に見える場所に見せるものではありませんでした。ネームの大きさも小さいほうがよりエレガントで、5mmほどが理想です。
二の腕、袖口にネームが付けられるようになったのは、既成のシャツが大量に作られ、オーダーであることが珍しくなった頃から生まれたアイデアです。ファッションに深みを求められはじめた時代だからこそ、一度足を止めてみて、正しい知識をもって洋服を選んでいきたいですね。
<正しいネーム刺繡の位置>
イニシャルはどう入れるのか
一般的なイニシャルは、たとえばわたしの名前であれば、「H.T」となります。しかし正しくは、「H.T.」と入れるのが正解です。なぜなら「.」は、「H」以降の文字を省略しているという意味であるため、「T」の後にも「.」が付くのが正解です。日本では付けられることが少ないですが、ヨーロッパのクラシックなシャツメーカーが作るイニシャルを見てみると、ほとんどのビスポークシャツは後ろにも「.」が入れられています。これはオーダーをすれば聞き入れてもらえる仕様であるので、ぜひ注文してみてください。
より本格的にこだわりたい場合、英国では3文字イニシャルを入れる場合もあります。ミドルネーム、自らの称号などを入れるのです。わたしはその人のあだ名を間に入れたりして、3文字で入れたりするときもあります。
ちなみにイニシャルではなく、その人の名前や名字を筆記体で入れるのも正しい入れ方ではないので、気を付けましょう。わたしの名前でいうと「Haruto.T」、または「H.Takeuchi」です。王道を外さずどれだけ遊べるか。そこにセンスが表れてくるのだとわたしは思います。
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