前ボタンの数はいくつか

現代のスーツの前ボタンは、2つか3つの物が主流になっています。前ボタンの数は、少ないほどモダンで、多ければクラシックな仕様と言われています。そういった理由から、クラシックなスリーピース・スーツに合うのは3つボタンなのです。
19世紀末のスーツの前ボタンは、4つや5つの物もありました。それが3つボタンになり、その後、2つボタンが流行したのが1930年頃です。現在、「フラワーホール」とよばれているラペルに付いているボタン穴は、元々、第一ボタンまで留めていた軍服の名残です。

モダンな着こなしには、2つボタンのほうが合う場合が多いです。普段あまり気にすることはないかと思いますが、この前ボタンの数の違いだけで、見た目の印象はかなり変わってしまいます。

img_2889<2つ釦>

たとえば上背が低く、恰幅のいい方が、Vゾーンの狭い(高い)3つボタンの上着(下写真)を着ていると、シャツの見える面積が少ないため、寸詰まりに見えてしまい不格好に見えることがあります。そういった体格の方は、2つボタンでVゾーンを広く見せることで、違和感をなくすことができます。
元々2つボタンは、多くの人の体系をカバーできることから一般化していきました。
3つボタンの真ん中のボタンを1つ掛けるスタイルは、上背のある細身の方が着るととても綺麗に見えます。

img_1583<3つ釦(真ん中1つ掛)>

各国の特徴をざっくりとならべると、イギリスでは3つボタンの真ん中1つ掛け(段返り)、イタリアは2つボタンの1つ掛け、アメリカは3つボタンの上2つ掛け、2つボタンの1つ掛け、が多く見られます。

アメリカとイギリスでは、Vゾーンの考え方が少し異なっています。アメリカ人はVゾーンが深くなる(下がる)ことに対して抵抗はありませんでしたが、イギリス人はあまり胸元を見せることをよしとしませんでした。これはシャツを下着と捉えるかどうかの問題であり、下着であるからなるべく見せないほうがいい、と考えたのがイギリス人でした。そういった背景から、英国のウエストコート(ベスト)は、Vゾーンの位置が高く作られているのです。

タキシードの場合は1つボタンが用いられますが、一説によるとタキシードの1つボタンが主流になるのは、1898年以降のことだと言われております。タキシードのはじまりは元々くつろぎ服から派生しているため、胸元をきっちりと締めておく必要がなかったからです。Vゾーンは狭くなるほどクラシック、開くほどモダン、と覚えておいてください。

最後に余談ですが、前ボタンの一番下を開けるようになったのは、1935年頃から定着したと言われており、それより以前は3つボタンすべて留めていました。

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