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「日本人は近眼である」という言い方は、ファッション業界でよく使われる表現です。これは、「日本人は洋服えらびの視野が狭すぎる」という意味です。

日本人は洋服に限らず、何事にもコレクター精神が強い民族です。それが影響し、ひとつひとつのアイテムをグッズ感覚で”集め”ている方が大勢います。洋服のコーディネイトで一番大切なのは、個々のアイテムの存在感ではなく、全体のトータルバランスです。それをわからずに、ブランドを信じてしまう人が多いゆえ、スーツは安価な吊るしなのにも関わらず、ネクタイはラグジュアリーブランドのものを着けている、というようなコーディネイトが横行してしまいます。主役は何人もいらないように、今日の主役が抜擢されたら、ほかの服は助演・脇役にまわりましょう。それこそ日本人が本来持っている、”わびさび”のセンスだと思います。

全体のコーディネイトをつくることと、自分の部屋をコーディネイトすることはとても似ていると思います。6畳一間のボロアパートにCassina(カッシーナ)の高級ソファをおいても映えないように、全体の水準をあげていくことが大切です。

よい仕立てのスーツを着ても、シャツやネクタイの組み合わせがいまひとつしっくり来ず、靴も安価な革靴であれば、コーディネイトの基準はその安価なアイテムに引き下がってしまいます。
全体のコーディネートを木製の風呂桶に例えてみましょう。一つ一つの洋服が一枚の木で、スーツだけが格好よく、他のアイテムはそれ以下のものだとします。スーツの板だけが長く、他が短い板で桶を作ると、結果的に短い板の高さまでしかお湯がたまりません。基準が低いところに目がいってしまうのです。
10万円を超えるスーツには、相応のVゾーンや革靴が必要です。くれぐれも高価なスーツの組み合わせに、安価なポリエステル混のシャツに2,3千円のネクタイをあわせ、1,2万円程の靴を合わせることはしないようにしましょう。

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