第8章 革靴
(執筆途中)靴とスラックスの理想的なバランス
靴には同じサイズといえども、様々な形のものがあります。わたしはUK7.5(日本サイズで26.5)だから、その靴を探せばOK、という話でもありません。
靴にはサイズの他に、捨て寸や、コバの出方、ソールの厚みなど、見るべき要素がたくさんあります。
この章では、こういうシーンではこのような靴が合う、というのをざっくりとご説明していきたいと思います。
まず、晴れの日と、曇りまたは雨の日で分けて考えてみます。
こちらに2足の靴があります。どちらが晴れの日に履く靴でしょう。
これには正解はありませんが、わたしは晴れの日には右の靴を履きます。
この判断基準は、捨て寸が長いか短いか、というところです。
靴の中の先には、足が当たらない部分があります。その部分を捨て寸と呼びます。
その捨て寸が短いほど、すっきりとした印象を与えるため、晴れの日、または暖かな気候のときに履きたくなります。
曇りや雨の日には、少し足元にボリュームを出し、重ためな靴を履きたくなります。そのため、晴れの日より少しだけ捨て寸のある、ゆったりとした靴を選ぶのがいいでしょう。
ここで話は少し変わりますが、良質な靴は捨て寸が長すぎるものはありません。
国産の有名な革靴メーカー2社が作っている靴は、捨て寸が長すぎるものばかりで、足が大きく見えてしまいます。
おしゃれな人は決して足が大きく見える靴は履きません。捨て寸は長すぎず短すぎない、ジャストサイズの靴を選びます。
安価な靴メーカーが大きく見える煩雑な靴を作ってしまうのは、より多くの方に履いてもらうため、サイズ以上に大きく作らなくてはいけないからです。
さて、話は戻ります。気候によって靴のボリュームを分けるのは、夏か冬かでも分けることができます。
夏はなるべく捨て寸が短く、すっきりと見えるものがいいでしょう。冬は季節的に重く冷たい季節なので、捨て寸もしっかりとあり、コバもある、全体的にボリュームがある靴の方が合います。
捨て寸の他には、コバのボリュームがどの程度あるかというのもポイントです。
コバがすっきりとしている方が晴れの日や夏に合います。コバが張り出しているものは、曇りや雨の日や冬に合います。
スラックスの裾の幅も季節によって変わっていくと思います。夏は少し細めですっきりと履きたくなります。そのときには捨て寸はなるべく短い、コンパクトな靴を履くといいでしょう。
冬は裾もゆったりとスラックスのボリュームが出てきます。そのときには、靴も捨て寸が程よく長く、コバも張り出している靴が活躍します。
最後に、夏には着たくなる靴はこういった靴です。
そして、冬に履きたくなる靴はこのような靴です。
ぱっと見の印象だけでも結構です。参考になれば幸いです。
洋服のように、靴も季節によって履き分けることで、しっかりと休ませることができるので長持ちします。
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