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第11章 その他
安価なスーツと高価なスーツの違いは

最近では2、3万円でオーダースーツを作れる時代になりました。10万円を超えるスーツと、同じ「スーツ」なのに、なぜこうも価格が違うのでしょうか。たまにお客様に聞かれる質問です。わたしなりに、お答えしたいと思います。
レンジでチンッで完成
,
分かりやすく例えますと、アンダー5万円の安価なスーツは、レンジでチンして完成するパッケージ化された商品です。
決められた会話、作業工程の元、世の中で見たことのある、イメージ通りの物が完成してきます。そこには大きな感動や特別な体験はあまりないでしょう。そしてその価格帯のサービスとなりますと、お店の方側が積極的に、その人それぞれの特徴や着方をイメージしてデザインするということをしているところはなかなかありません。
安価なものがレンジでチンだとすると、高価なスーツは、人が離れず火加減を調整して、食材、調理法まで徹底して作っているものです。
作っているものは同じ料理ですが、手間のかけ方が全く違います。
価格の違いは会話の質の違い
,
Bespokeすること、その価値は、テーラーと密に話し合い、その人のためだけの物を作ってもらうことにあります。一人一人の仕事観、生き方を聞いていくことで、その人に本当に見合ったものをテーラー側が提案できるのです。
そう考えると、最近巷で増えてきた、接客を受けずにオーダースーツが作れるというような店が安価で提供できるのも、納得できます。
本来のBespokeの愉しみを省いた先に、スーツをオーダーで作るという本当の価値は果たしてあるのでしょうか。
簡単に、縫製のレベル、生地の価格が違うということは誰にでも言えることですが、両者は根本的に考え方が異なるため、どちらがご自身の人生に合っているのか、じっくり考えてみてもいいかもしれません。
こう考えてみると、人生では使い分けをしてもいいかもしれません。
毎日毎日、凝った料理をするのは大変だ。と思われる方は、たまにはコンビニエントなご飯でいいというところから、安価なオーダースーツを選んでもいいと思います。
そして、ここは大事な場面だと思ったときに、本格的なものに身を纏うのは、とてもいい選択だとわたしは思います。
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