わたしが天然素材にこだわる理由

昨今は科学技術の発達で、便利な化学繊維がたくさん増えてきています。薄手のインナー1枚だけで身体があたたかい、という物も発売され、技術の進歩はすさまじいばかりです。しかしこんな時代でも、合成素材はなるべく着ないようにしているという人たちもいます。わたしもそのひとりです。

衣服文化は、人類が誕生してすぐにはじまったといっても過言ではありません。その中で合成素材が発明され、多様化されはじめたのはつい最近の話で、1970年代以降です。それまでは、合成技術で高性能な生地をつくることが難しかったため、高価な天然素材を使用していました。しかし、大量に安価な価格で生産できる合成素材が生まれ、洋服の価格帯は下落していきました。今まで高価で有限であった天然素材に代わり、無限に安価な価格でつくれる合成素材の誕生を、メーカー側は使わない手はありません。

そもそも、人間の身体は天然でできています。そんな身体に合成素材を身に着けることで、どういう作用が起きるでしょうか。

まず気をつけていただきたいのが、冬の時期の「静電気」です。ポリエステルやナイロン、アクリルなどのような合成素材は、身体にまとうことで静電気を大量に帯電させます。すると血中のビタミンCの濃度が下がります。そうなることで抗体が下がり、身体の免疫力が落ちるのです。静電気はストレスの増加にもつながり、身体的に悪影響をおよぼします。かなりざっくりとした説明ですが、こういった身体の作用は科学的に検証されております。しかし、売り手側にはメリットがないので公には出していません。

ファストファッションで売られているような化学繊維(例えばポリエステル)100%のニットを着て過ごす日と、天然のウール100%のニットを着て過ごす日を分けてみてください。天然のニットを着ているときは、あまり静電気を感じることはないはずです。合成素材を着ているときとでは、脱いだ瞬間の帯電している感覚が全く違うと思います。

しかし、合成素材のメリットもあります。それは、「安さ」と「丈夫さ」と、「手入れをせずとも長持ちする」という点です。反対に天然素材は、手入れをしていかなければすぐにダメになってしまいます。
また天然素材には、GORE-TEXのような目に余るような機能美もありません。そこだけで比べてしまうと、たいていの人は安価で丈夫な合成素材を選ぶのでしょう。しかし、合成素材はやはり生きている物ではありません。着ていくごとにアジが出ることはなく、購入した日が一番きれいな状態です。ダメになったら捨て、買い替えるものです。

天然素材はコットン、、リネン、ウール、カシミア、アルパカ、本革など、すべて地球で生まれたものです。これらをしっかりとケアをして長く着続けていくことで、その人とともに歩んできた歴史が、その洋服の深みとなりアジとなり、魅力が年々倍加していきます。洒落者が天然素材にこだわる理由はここにあるのです。

車や時計も高価なものを買えば、購入後もメンテナンスなどでランニングコストがかかっていきますが、洋服も同じものだとお考えください。信頼のおけるクリーニング屋は相応の値段をとります。穴や汚れを修復する金額も高いです。長年修理していると、購入した価格を修理代が上回るときがくるでしょう。しかしもしその時点で、10年以上ともに付き合ってきたパートナーであったなら、手放すという選択はできないくらいの愛着がわいてくると思います。
そのくらいひとつの洋服と長く向き合い続ける愉しみがあるのが、天然素材のよさです。
洒落者は、しっかりとした高品質のものを購入し、手入れをしながらその洋服と長く付き合っていきます。
よいものは20~30年と着ることができます。安物買いの銭失いにならず、高品質なものを、しっかりとした対価を払って付き合う洋服を探していきましょう。

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