スーツにベルトは必要か


現代の日本では、スーツにベルトを付けるのは当たり前で、していない人は社会人として落第点を付けられてしまうような時代になりました。しかし元々のスーツスタイルには、ベルトは用いられていませんでした。スリーピース・スーツを着たときにベルトをしてしまうと、胸周りから腰にかけてのきれいな曲線を邪魔してしまうため、なるべく着けないほうがいいのです。ウエストコート(ベスト)とトラウザーズは、あたかも一体化しているように見えるのが理想です。

ベルトの起源はローマ時代の「バルテウス(balteus)」とされています。元々は「剣を吊る革具」でした。その後、戦争で兵士が様々な武器や道具をぶら下げる物として使われていたため、紳士のトラウザーズを支える物として使われるようになったのは最近の話です。
ベルトはスーツに用いるというよりは装飾品としての色味のほうが強く、ブレイシーズ(サスペンダー)を推奨するわたしとしては、カジュアルなジャケパンスタイルや、ツーピース・スーツなどのカジュアルな装いでは使用してもいいですが、クラシックなスリーピーズ・スタイルでは用いないほうがスマートです。

IMG_1857<ベルトレス・サイドアジャスター仕様>

より正統派でクラシックなトラウザーズを履きたいのでしたら、ベルトループのない「ベルトレス・パンツ」に挑戦してみてはいかがでしょうか。ブレイシーズで吊るのが基本のこのスタイルは、腰で”履く”のではなく、肩で”吊る”ため、ウエストをぴったり作る必要がないのがうれしいところです。事実わたしが持っているスリーピース・スーツのトラウザーズはほとんどがベルトレスで、サイドにアジャスターが付き、内側にサスペンダーボタンが付いている仕様にしています。
それでもスリーピーススタイルにベルトを着けたいということでしたら、ベルトのバックルを真ん中ではなく、右か左に少しずらして着けてください。ベストの下からバックルが見えるのはとても不格好なので、少しでもずらして隠した方がまだスマートです。

イギリスやイタリア、フランスなどの洋装先進国では、ブレイシーズを使わずにベルトレスのトラウザーズを履いている方が多くいらっしゃいます。悲しいことに、西洋でも夏のカジュアル化が進んでいますが、シャツにトラウザーズだけのカジュアルなスタイルでも、彼らはベルトレスを履いています。日本ではあまり見かけませんが、とても格好いいです。

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