わたしが英国にこだわる理由


「ロンドンに飽きた者は人生に飽きた者だ。ロンドンには人生に与えうる全てのものがある」
−サミュエル・ジョンソン

わたしは、英国製のものが大好きです。そして、イギリスが大好きです。イタリアやフランスのような華やかさはなく、天候もわるい。お世辞にもご飯をおいしいとは言えない。しかし、なぜこうも世の男性たちを魅了し続けるのでしょうか。

もしわたしが女性に生まれていたとしたら、フランスやイタリアの華やかな洋服に身を包んだ洋装文化を謳歌していたと思います。イギリスには、もう他のヨーロッパでは失われてしまった、不器用で無骨な精神が残っています。かれらは華美で「too much」な装いを嫌い、“質実剛健”な在り方を徹底的に求めます。まさに洋服を“ギア”としてとらえているのです。タフでなければいけない、という産業革命時に培われた精神が、今なお根付いています。

アメリカのようなカジュアルなタフさではなく、ヨーロッパ特有の華麗さも兼ねそなえているのが、イギリス洋服の特徴です。スーツが破れたら紡いでなおす。靴が壊れたらしっかりと修繕をしてできるだけ長く履き続ける。そうして何十年もケアをし続け、子の代、孫の代へと受け継いでいく。男ならその心意気に、魅了されてしまうのも無理はありません。

チャールズ皇太子のJohn-Lobb

こちらの上の写真は服飾界では有名なお写真。チャールズ皇太子の靴です。よく見てみると、彼の靴はつぎはぎだらけなのです。これは皇太子が20歳の時にジョンロブでビスポークをしたものだそうで、なんと40年以上も履き続けています。王族の方であれば、買い直すお金は多分に持ち合わせているはずなのですが、それをも上回るコストをかけて、一足の靴を修復して履き続ける精神。これが英国人のマインドなのです。

イタリアやフランスは洋服をビジネスとして、ハイブランドを次々に作り出し、大きな産業にしていきました。過度な装飾とデザインをちりばめ、華やかな洋服を世に出していくのです。しかし新しいものを嫌うイギリス人は、その裏で虎視眈々と長い文化を守り続け、今なお昔ながらの洋服作りを徹底して守り続けています。もちろんビッグビジネスにはなりませんが、その不器用なさまは、日本人にも近いものを感じます。同じ島国、同じくシャイな国民性。通じ合うものはあるとわたしは思います。スーツは男の品格を表す最も大切な名刺。自分の精神に見合ったものをしっかりと見定めましょう。

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